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風に棚引く青いシャツを一枚触って、乾いているかを確かめる。

ぽかぽかと穏やかに照り続いた太陽のお陰で、シャツは充分に乾いていた。

後は男部屋に放り込んでおけば何とかするだろう。

いくら言動がまだ子供っぽいと言えど、彼等も子供じゃあるまい。

何よりなまえは皆の母親ではないのだから、そこまでしてやる義理も世話もないのだ。

さて、と首を鳴らしてなまえはおやつに思いを馳せて心此処に在らずなルフィを軽く小突いた。

ぐるぐる巻きだった腕は、いつの間にやら解除されている。





「ぬっ、何だよなまえー」

「洗濯物を男部屋に運ぶの、手伝ってくれ」

「なまえの頼みだからな、よいよ!」

「サンキュー船長」





シシシッよきにはからえ!

茶化して言えば、嬉しそうな笑顔と共に返ってきた。

良きに計らえ、なんて意味も知らない言葉を何となくニュアンスで(しかも全部ひらがな表記で)使い、独特な笑い声を上げるルフィ。

そのまろやかな曲線を描く額にぺちりと平手を一発、軽目に入れてなまえは洗濯物を干している綱のまま取り込む。

合計10本の綱の端の片側を纏めてルフィに持たせ、反対側を己で持つ。

この状態で部屋まで行き、床に置いたら綱を抜き取る魂胆だった。




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