infinity†
02
ソレは物語が始まる5年前、まだ9歳だった2人は物心つきたて…
現実と空想がごちゃまぜ。
例え物心ついても9歳、妖精を信じたり悪魔を信じたり…世間的には批判されるコトも信じてしまうお年頃……
死んだ人間がそっくりそのまま生き返るというコトも信じていた……
「唖兎(アウ)!」
「あっ唖兎(アト)、良かった居たんだ!」
全てが楽しかった……
唖兎(アト)と過ごした日々は。
周りから「仲良しだね」と言われても否定できず、でも自覚はしていなかった
学校や外でも2人は一緒で、それぞれがそれぞれを求めている
依存症者
2人は互いがいれば良い、互いが幸せならソレで良い
そう思っている
自覚を持たない9歳……。
「唖兎(アウ)、唖兎(アウ)!!」
「何? 唖兎(アト)」
ソレは突然の話だった、2人きりの時 唖兎(アト)が急に立ち上がる
首を傾げ質問すると、かえってきた答えが……
「唖兎(アウ)のタメに音℃gうね!!」
元気よく言うと唖兎(アウ)は手の平を開きいつの間にか音符が出来ていた
その音符は手の平より少し小さく、摘まみ揺らせば音が鳴った
音符を叩くとまた違う音がなった
「たのしい!! コレどうしたの?頂戴!」
目を輝かせて唖兎(アト)を見つめると困った顔をして「仕方ないなぁ」と言われた
唖兎(アウ)は嬉しさで胸がいっぱいになり唖兎(アト)の話を深く考えていなかった
「私が消えたらその音符も消えるから…」
―――――
――
「小さい頃の私は精神も脳もホントに幼かった
けど唖兎(アト)は違った、唖兎(アト)は精神も脳も大人だった…」
病院の屋上で真剣に話す唖兎(アウ)の横顔は、真剣と寂しさと孤独を感じられた
「ソレからの話なんだけどね……」
―――――
――
そして2人は公園へと出掛けた
「あっ猫…」
路上を挟んで反対方向
日向で丸くなる黒猫を見つけた
好奇心に従い、足を猫に向け、歩く
「唖兎(アウ)!!」
唖兎(アト)は咄嗟に唖兎(アウ)を突飛ばし、音符のバリアをはる
暴走する自動車は唖兎(アト)に突っ込んだ
―――――
――
「ソレから唖兎(アト)は死んだ…
そして私のワガママからまた唖兎(アト)は目の前に来てくれた」
「その唖兎(アト)が成長性クローンのS-08mxってのか」
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