infinity†
04
「………そうだ…私はもう唖兎(アト)じゃない……私をこんな風に造り上げた∴兎(アウ)を殺すタメに生まれたシンクなんだっ!!」
嬉しそうに金髪少年に抱きつく彼女の表情は今までにみたコトのない、満面の笑みだった
「待て!! 話がわからないっ!
お前、唖兎(アト)をどうする気だ!! 唖兎(アト)! お前はコレで良いのか!!?」
ピリッ……
「っ!!」
「私はもうシンクなの、次言ったらコレだけじゃすませない」
「シン……ク…」
放心状態の恢を他所に唖兎(アト)基シンクと金髪少年は消えてしまった
ソレから雹硝学園、無能・有能問わず、生徒約6万人中の半分の生徒が病院送り、数名が捻挫や軽傷ですんだ
殆どの人が「唖兎(アト)が暴走した」と声を揃えて言うが数名が「金髪の少年」と口にする
「可憐ちゃん……ごめんね…」
雹硝学園理事長(学園設立者)が設立した雹硝病院の一室で、唖兎(アウ)は涙を流していた
病院送りにされた生徒の中でも可憐はかなりの重症で今も意識不明…
「病院で治療受けたのにまだ意識が戻らないなんて…」
「仕方ない…、音使いの超音波は強力で真っ向に受けたなら暫く戻らない
使い手にもよるが唖兎(アト)は「頭を割られるような痛みを与えた」と言っていた
最悪の場合、脳にも異変が出るらしいから、覚悟はしといたほうが良い」
医師が言っていたコトをそのまま言うと唖兎(アウ)は渋々頷いた
「唖兎(アト)……は…やっぱり……」
「あぁ、今じゃシンク=c
ソレに別人のようだった」
あの場、唖兎(アウ)は朦朧とする意識の中で、恢と唖兎(アト)の会話を聞いていた
「精神的にも、身体的にも…動けなかったコトは…凄く辛かった」
ボソリと呟かれたその声はもう上の空状態で、そうとうショックだったんだな…というコトがよくわかる
「恢君……ちょっと付き合ってほしいんだけど……いいかな?」
「んっ、へーき 何処行くの?」
「唖兎(アト)が造られた場所」
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