infinity†
02
今回の課外授業のパートナーは可憐だった…
可憐と組むのは今回で2・3度目。
だからなのか今回はあまり時間がかからなかったが、3日という時間を使ってしまった
「ねぇ、可憐ちゃん…」
「ん?」
「胸騒ぎがするの…、怖い…、学園戻りたくない…」
「………わかった。
じゃあ、学園の近くで暇潰そうか」
可憐の服を掴む唖兎(アウ)の手は微かに震えていた
可憐は優しく微笑み唖兎(アウ)の手を引いて、電車に乗り込む
―――――
――
ガシャンッ!! ガシャン…!!!
雹硝学園…、窓ガラスはボロボロで床も壁もズタズタ
中には倒れてる人もいれば、机や椅子の下敷きになった人もいる
「私 ハ …… 私 ハ …!!!」
唖兎(アト)の周りには無数の音符とその音符が動く際にできる風のバリア
触れようとすれば鎌鼬で指や服を斬られる
「唖兎(アト)!! やめろっ!」
「唖……兎(アト)… ソノ 名前 …… イヤ ッ !!!」
また再び、いろんな場所が斬れる
生々しい音や乾いた音…、いろんな音が鳴り響く
「唖兎(アウ) … 唖兎(アウ) ハ 何処 ッ !!」
怒鳴るような声をあげ、周りに浮く音符を無差別に投げ飛ばし、モノを切り裂いていく
「唖兎(アウ) … 唖兎(アウ) ッ !!」
「素晴らしい…コレがアイツ…S級の能力」
pm.07:50
唖兎(アウ)、可憐が学園に到着…
「何…コレ…」
2人は言葉を失った
外見は今までと変わらない学園だったのだが、ソレは中に入ると幻想のように消え去り、2人の目の前にはボロボロで天井の下敷きになっている者の姿など……
「どうしてっ…」
「襲撃……やっそんなはずない、襲撃されるような相手が居ないんだ…」
2人は目の前に広がる現実を受け入れるコトが精一杯で、後ろからくるモノも気付かなかった
後ろからスゴいスピードで2人を狙うのは、音符
――リ…リリン……
「っ!!」
唖兎(アウ)の耳には音符が発する波長が音として届く。
しかし、気付いてもあと数センチというトコロで避けるコトも出来なければ能力を発動する時間も無い
「唖兎(アウ)ちゃん!!」
「停止-ストップ-!!」
音符は唖兎(アウ)の目の前で止まった
驚きで硬直する唖兎(アウ)の腕をひき、自分の後ろにまで連れてき守る体制となる可憐
「大丈夫か! 唖兎(アウ)」
「恢君…、ありがとう」
「恢、コレは…?」
「説明は後だ、可憐は唖兎(アウ)を安全で誰にも見つからなさそうなトコロに…
唖兎(アウ)は自分の気配を出来る限り消して」
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