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「ヨリっ!」
いたたまれないような気持ちになっていたところに聞いたことのある声の持ち主に名前を呼ばれ、思わず振り返る。

「…モジ、」
モジが、そこにいた。

モジは思ったより大きな声が出ていたことに驚いたように一瞬目を開いたが、すぐにいつもの表情に変わる。
気を取り直したようにモジは一息ついて、一歩ずつ近づいていった。


また他の子供達の話が私の周りを流れる。
この感覚は、壁を作られているようでとても怖い。
畏怖を感じ取ったようにモジは私の肩に軽く手を置く。

ああ、落ち着いた。

「ヨリ、先に行ってたんだ」
「え、あ…、寝坊しちゃって、もういないのかと思っちゃって」
ごめんね、と手を合わせると、モジは、ふと笑い、肩に置いていた手を下ろした。

「僕、ちゃんと待ってたんだからね」
「…うん、」
ヨリは昔からそうだね、とモジは少し遠くを見るような目で私を見る。きっと、昔のことを思い出しているに違いない。

「あ、今日私ね、昔の夢みたんだよ。」
「…昔の夢?」
「金魚の夢、」
「偶然、僕もだ。」

四人でなにも考えずに遊んでた時だよね、と付け足したモジに私は、小さく、うん、と頷いた。






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あきゅろす。
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