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こんばんは
「あ、メールの…」


「あ、初めましてぇ」


「こんばんは…」


何百回と繰り返されてきたやりとりだ。


「じゃあ行こうか」

「はい」


それとなく腕を組んで歩きだす。


なかなかいい男だ。


久々に楽しめそうだと思った。


彼の車に乗り込む。


あたしは車の事なんてよくわからないけど、マークを見て国産車ということはわかった。


ついでにナンバーも覚えておいた。


車の中は煙草の匂いがしなかったので、吸うのはやめた。


住んでる場所、年齢、学校、他にも色々話した。


全てでっちあげた話だということは言うまでもない。

「お仕事はどんな事なさってるんですかぁ?」


なるべく馬鹿っぽく聞く。

安心するでしょ、馬鹿に何言ったってわかるわけないからって。


「小さいけど会社をやってるんだ」


「会社…」


「サービス業だね」


「ふーん、社長さんかぁ」

わかってんだかわかってないんだか…と思わせるような相槌を打つ。


やがてホテルに着いた。


車を降りてフロントで鍵をもらう。


このホテルは度々利用するので勝手は知っているが、全て男に任せておいた。


エレベーターに乗ると、彼は三階のボタンを押してからあたしにキスをし、抱き締めた。


女にしては長身でふくよかなあたしだけど、彼はそれを越えて逞しかった。


腕の中に包まれてじっとしていると三階に着いた。


体を離し、彼の後ろを歩く。           

部屋に着いた。


この瞬間からあたしはご主人様だ。


「おいでよ」


あたしは大きなベッドに横たわり、ソファに荷物を下ろしている彼を呼んだ。


「はい」


彼はおとなしくあたしの隣に座る。


「なんて呼ばれたい?」とあたし。


「僕に名前なんてありません。ご主人様がつけて下さい」


「じゃあ、ポチ」


「ありがとうございます」

「シャワー浴びるのめんどいから舐めて」


「はい」


ポチに全裸になるように言い、あたしの服も脱がせた。


全身を隅々まで舌で洗わせ、終わると今度はあたしが上に乗ってご褒美のキスの雨を降らせた。


途端に彼の性器が堅くなるのを感じた。


腰を突き上げてあたしの臀部にそれを押しつけてくる。


「…勝手な事すんな」


平手で彼の頬を打つ。


何回も何回も叩く。


彼はびくびく体を震わせて目をしばたかせ、泣き声をあげている。


「泣いてるだけで謝りもしねーの?」


「ごっ…ごめんなさい!
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」


涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔を見下ろし、にやりと笑う。


「勃ってるよ?」


ゆっくり体に手を這わせ、堅くなっているものに触れる。


ポチの体は今まで以上にびくっと痙攣した。


「あたしに打たれると感じちゃうの?」


ゆっくり優しく手を動かす。


「は、はい」


「ほっぺも性感帯なんだ。変態じゃん」


彼はまた体を震わせ、恥ずかしさからかあたしから視線を外した。


「あたしを見てなさい。ずっと」


次第に手の動きを速める。

彼の息遣いも荒くなる。


「なんでそんなに息が荒いの?黙ってたらわかんないし」


彼はあたしの目を見ながら言う。


「き、気持ちいいっ…からで、す」


限界まで手を速める。


「あ、あああ、イっちゃう…」


で、手を離す。


「だーめ」


彼は浅い呼吸を繰り返している。


あたしはベッドを降りてテレビの横に腰掛けた。


テレビ台は高いので、足が床につかない。


ベッドの方向を向いて両足を開く。


「舐めて」


ポチは起き上がってあたしの前に立ち、少し屈んで両足の間に顔を埋めた。


忙しなく舌を這わせている。


「おいしい?」


「ん、おいしいです。ご主人様の   、甘くておいしいです」


「ねぇ、床に垂れてるじゃん。ポチはあたしの舐めながらも感じちゃう訳?」


「はい、ごめ、んなさい…」


「自分の触りたいならお願いして」


「触らせて下さい…ご主人様の舐めながら自分の触りたいです。ご主人様に見てもらいたいです」


「いいよ」


「あ、りがとうござ…ん、ああっ」


ポチはものすごい速さで自慰を始めた。


「舌止めてどうすんだよ」

あたしは彼の髪を掴んで頭を押しつけて、動かした。

苦しそうな声が聞こえたが、彼の手は止まらない。


「イくっ、ご主人様っ、イッていいですか?」


「だめ」


「…っ」


彼は手の動きを止めた。


「止めていいなんて誰が言ったの?続けて」


「は、はい」


また手を動かす。


「でっ、でもっ、これじゃイッちゃう…っ」


「いや、だからイッちゃだめだってば」


ぼたぼたと透明な液が床に落ちる。


手は止まらない。


ほとんど悲鳴のような声をあげている。


髪を掴み、顔をあたしの目の前に持ってくる。


ポチは顔を真っ赤にして涙を流していた。


「イきたい?」


「イきたいですっ…イかせて下さ…あっ、ああ」


「いいよ、イッて。見ててあげる」


「ありがとうございま…あっ、イく、イく、イくぅっ」


あたしはにやにや笑いながら、必死な彼を見下ろしていた。


馬並の量を放出して、彼は果てた。


「気持ち良かったです、ご主人様」


その唇に優しくキスをした。








帰り道。


運転しながら財布を出した彼を見て言う。


「要りません」


「え、でも」


「あたしも楽しんだから。もしもう一度会うことになったら飯でもおごって下さい。じゃ、また」


車を降りてけだるそうに歩く彼女を見て、彼は絶対にまた会おうと決めた。

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