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哀しいくらいに、(ハオホロ) 電波文





モノが満ち足りている世界。
自分の回りにはモノは沢山ある。



モノが溢れるほどあるということはそれは廃棄するモノもあるというである。




それは、まるで――。




哀しいくらいに、








「今の世界は哀しいほどに不幸だ」



世間は新しいモノを求めて群れる。そして、古いモノは棄てられる。










「それはお前が深くまで見てないからじゃないのか」




人と人。人と自然。それらと対等に向き合えば、それは幸福ともなりうる。いわば原石のようなもの。










「しかし、やはりヒトは不幸でしかない。それらを生み出し破壊し続ける」



人間は自分を創造主たるべきものと誤解をしている。







「そういうお前はどうなんだよ」



その言い方は、考え方は、まるで自分が創造主(カミ)にでもなったかのようだ。


ヒトはカミにはなれはしない。











「狼の名を持って何故ヒトを許す」


「オレがお前と同じヒトだからゆるすんだよ」




僕にはわからないな。




小さく呟くと、一度もこちらを確認する事なくその場を去って行った。















結局。

―――あいつも同じヒトだから、揺らぐ。千年生きても、人間は創造主になることはできない。完全なるモノはもはやヒトにあらず。揺らぎ、悩み、迷い、不完全だからこそ人間は美しいのだろう。




まぁオレが言えた義理じゃないが。










「寂しいのはお前なんだな、ハオ」








哀しいくらいに、
星が瞬いていた









泣けないあいつのかわりの涙のごとく

星座達は
そこに鎮座していた








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