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そこにある(仏米+伊日)


何時もとは違う道を歩いてみようと思った。ただそれだけだったのに。

こんなにも苦しい想いをさせられるとは思いもしなかった。









女の子からカッコイイや好きという話は何度も聞いてきた。そして噂によると親衛隊なるものもあるらしい。それを聞く度にひそかに誇らしくも思った自分を殴りたい。








目の前でデートしてる姿を見た。
黒髪の小柄な女の子と俺の恋人。






人によってはそんなことと思うかも知れないが、恋人が知らない奴と歩いてる。それだけで不安に駆られる。もういらないのではないのか。




いてもたってもいられずに走り出す。


今、この場に居たくなかった。
一緒の空気を吸いたくなかった。
色んな事を考える自分が嫌になった。












辿り着いた先は、告白しそしてされた場所。

何処にでもあるような、街を見下ろせる小さな高台。


ふと空を見上げれば、視界が霞んでいて。その中から見る色は茜色をしていた。




(水中から見てるみたいだ)










「やっぱりここか・・・」

「フランシス!なんで!?」




どうもフランシスは街で歩いていたら、俺を見かけそれで追いかけてきたらしい。


「でも、女の子と一緒にいたじゃないか?」

「ごめんなさい。アルフレッド君、実は私が頼んだんです」

「え、あれ?菊?」

「フェリシアーノが今度は女装してデートしようって言い出したらしくな」

「それで私がフランシスさんに頼んで振る舞い方を教えていただいていたんです」







あっという間な展開過ぎて頭が追いつかない。



つまりフェリシアーノと菊の今度でデートは女装して、それで菊は女の子の振る舞い方をフランシスから教えてもらっていてって・・・。


「って女装デート!?それは一体全体どうして?」

「女装するのは私だけですよ。フェリシアーノ君にエスコートしてもらうんです」




まさに夢見る乙女のようだ。というかこれは一種の惚気話か。

そして俺は、それに躍らされて、何と言うか嫉妬をしてしまったのか。と今更ながらに考えが巡った。恥ずかし過ぎる。




「なぁー、アルフレッド、俺達もしてみるか。女装デート。いっそのことダブルデートでも良いぞ」

「いいですね、フェリシアーノ君に相談してみます!」



ニヨニヨ笑うフランシスを置いて菊は嬉しそうな顔をして帰って行った。




「俺の意見は無視なのか」

「可愛い嫉妬をしてくれたアルフレッドにはお仕置きだな」

「・・・ふ、・・・っん・・・・・・」


気付いたらフランシスの顔は前にあって、唇には柔らかい感触。何時も感じる温もりが広がった。

なんかもう、嫉妬をした自分や、女装デートはするとかどうでもいい気がしてきた。





だから思い切り目の前の体にしがみついた。そしたらフランシスは微笑みを浮かべた。本格的にどうでもいいと思い始めた。





Your smell is the scent to comfort me.






















(フェリシアーノ君、女装でダブルデートはどうですか)
(菊がいいならいいよ!)

(ねえ菊、いまから晩御飯食べに行こうか)
(いいですね、行きましょう)
(ちなみに菊がデザートだからね!)



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