狂気的愛情(伊英) ぷつ、ぷつ。 一枚、また一枚と深紅の薔薇の花びらをちぎる。 「ねぇイギリス、俺の恋人になってよ」 「はぁ?お前何言ってんだ?」 「いいから、答えて」 「無理に決まってるだろ」 一枚。一枚。 薔薇の花びらが辺り一面に広がる。 そんな答えが出ることなんてわかりきっていた。それでも自分の想いを伝えたかったのだ。 「俺すっごくすっごくイギリスのことが好きだよ、」 (料理はまぁ置いといて) 「そ、そんなの信じられるわけねぇだろ!」 「うん、知ってる」 もう毟り取れる薔薇がない。 「だからイギリスがうんって言うまで毎日来るから」 深紅【血の色】の薔薇を持って―――――。 「イタリア…………」 「ちゃ〜お、イギリス。今日こそは、いい返事もらえるといいな!」 「……………っ」 そして今日も薔薇を持って逢いに行く。 まさに 狂気的愛情 |