キリリクの部屋
9000HIT記念D−1様リク[刃×ティアナ]by瑠璃子
まず最初に、
このお話はD-1様のサイト『回転レーザーソード』の主人公、唐沢刃とティアナのSSです
またこのお話を読む前にD-1さんのサイトの小説を読むことを『強く』オススメします。
ジェイル・スカリエッティが起こした一連の事件、通称JS事件の騒動から半年が経ち、レリック事件解決の為に立ち上げられた機動六課も遂に明日、解散の日を迎える。
その夜、ティアナは六課の寮の裏庭に居た。
もう誰も失いたくなくて、特別な能力も無い優れた才能も無い自分は、只頑張って努力して人一倍訓練して認めてもらうしかないとここで必死に訓練していたのも、もう懐かしい思い出でだ。
「なんだ、眠れないのか?」
「!! って、先生」
振り返った先にいたのは、訓練校時代からの恩師で今では同じ機動六課の同僚であるジン・カラサワ・ファルシオンだった。
「もう、驚かせないでくださいよ」
「あれぐらい、声をかける前に気配で気づいて欲しいものだな。たるんでいる証拠だ」
ジンはティアナの横まで来ると上を向いて夜空を眺めた。ティアナもそれを見て同じように夜空を眺める。少しの間、二人に沈黙が訪れた。
「フェイトから聞いた。執務官の道を進むそうだな」
「はい」
「夢、だからか」
「夢、だからです」
「そうか」
「はい」
また二人の間に沈黙が訪れる。それを先に破ったのはジンの方だった。
「その・・・・なんだ。あまり口で言うのは得意じゃないんだが」
「? ・・・・なんですか?」
「ティアナ・ランスター二等陸士!」
「! はい!」
「・・・・・・強く、在れ」
ジンから発せられた言葉。ティアナは最初意味がよく分からなかった。
「強くなれ、じゃなくて強く在れ、ですか?」
「ああ、そうだ。別に誰にも負けない最強の執務官になれとか、一回もミスを犯さない完璧超人になれなんて誰も、天国に居るあいつもそんな期待なんかしちゃいない。これから先、誰かに負けることもあるだろうし、ミスだって両手で数え切れないくらい犯すに決まっている。だがな、それでもいいんだよ。大切なのは、その程度の困難なんかに負けずに何度でも立ち上がることだ」
ジンが語るのをティアナはじっと聞いていた。普段は口よりも先に手が出るジンが、自分の為にこんなに言葉を向けてくれるのが素直に嬉しかった。
「だから、強く在れ。何度蹴躓いても、どんなに詰られても、そんなもん、もろともしないような強い人間で在ってくれ。俺が言いたいのはそれだけだ」
「はい!!ありがとうございました!!」
ティアナは、ジンに向かって深く頭を下げた。今ジンに、自分の頬を伝う涙を見せたくはなかった。
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