ルーレット

※TOS/クラトスルートゼロロイ/R18/バッドエンドシリアス/病んでますので苦手な方はバックプリーズ


廻る。
廻される。
運命はまるでルーレットのように廻り続ける。
でもいつかは失速して止まる。
その時は、終わりの時。
ルーレットの、自分の終わりの終わりの時なのだと。



「やるからには本気出して行こうや」


今まさに、そのルーレットは終焉に向かうべく止まりかけようとしていた。

「ゼロス…!」

対峙すべき相手を、彼らへと決めた。
その覚悟の証としてその背中には、オレンジ色に輝く羽根が辺りを照らして。


もう、戻れない。
それだけは確実に言えること。


もし、こうなる前に自分を止めていてくれたらこうなりはしなかったのに、と何度も何度も聞こえない声で呟いて。

「…ジャッジメント」

圧倒的な天使術を前に、ロイドらは呆気なく地に伏した。本来ならば穢れし者…つまり自分のような者に制裁を与える術であるのに。

…命令、いや予定ではこの後は邪魔にならないよう始末するのみである。

もしも、制裁があるとすれば裏切ったことへの自分への制裁なのかもしれない。
その手で今まで旅をしてきた仲間を殺すこと、二度と忘れられないように、そして一生後悔で胸を満たし、病み続けなければならない。

躊躇は無いわけじゃない。
長い間一緒に旅をすれば情は沸く。
何せ自分はまだ感情のある人間である。もっとも、もうすぐその感情もなくなるかもしれないが。


気絶しているロイドに、ゼロスはひとつキスを落として小さく呟いた。


「一緒に墜ちようぜ、ハニー」



***



「ゼロス、もうやめ…ッ…」

背後から襲いかかるその圧力に、ロイドは涙を浮かべながら、何度もその言葉を繰り返した。
しかし、その言葉どころか既にゼロスには「言葉」そのものは届かなくなっていた。

しかし「言葉」の代わりに手に入れたそれは、人間を遥かに凌ぐ戦闘能力と目の前の愛しき贄。
クルシスに降りたゼロスの元に与えられた彼の「衝動」を抑えるための専用の道具として。

「ぁ…ッ、う…っぐ…」

自らの本能のみで動くかのように、律動を深めて欲を解放しようとする姿はまるで獣のような交わりで。

「あっ、…や、やだ…やめ…やめてッ……中は…ッ…」

ロイドの懇願など聞く訳もなく、何度か打ちつけた後、びくんと背中が跳ねた。
熱い飛沫が体内で弾けると同時に、ふわりと華が咲くかのようにゼロスの背中から羽根が現れたのだ。

「くッ…う…」

唇を噛み締めて、ロイドはそれが終わるのを待つ。
中に放たれて、じっくりとそれを抜かれるのを。

…天使化してしまったゼロスは、既にもう感情を持たない、ただの衝動に駆られ本能のままに動く人形と化していたから。
それに天使化を果たしたゼロスのクルシスの輝石の作用で少なからずもロイドのエンジェルス計画のエクスフィアにも反応が出始めていたせいか、ロイドも自我を失いかけようとしていたのだ。


…当のゼロス本人はそうなることを知っていた。知っていて、自ら天使化したのだ。
愛しい子を殺さずに、かつ自分の手中に収める事が出来る一番卑怯な方法。


だが、それと引き換えに失ったものはとても大きいけれど…それでもゼロスにとってはこの世で最も至極の幸せであった。

何せ独りではない。
一緒に堕ちてゆけるのだから。
2人で本能のままにお互いを貪れるのだから。

だが、…しいて言うならば。
ロイドが本当に惹かれつつあったのはゼロスであったことを知らないのがゼロスにとっては、不幸せなことだろうか。


もし知っていたならば、他の道を選ぶことが出来たかもしれない。
でも、戻ることはおろか止まることも赦されない。



何せまだ、ルーレットは廻り続けているのだから。


2人だけが迎える終焉に向けて、廻り続ける。



廻り、続ける。



***
すすすすすsうpふヴふggygすいませ…!><
途中から何書いてるのか、わからなく…^q^
ゼロスの天使化が大好きです。
ちなみにテーマソングはルーレットタウンの夏!
2008.10.23〜2008.12.23まで掲載

[*前へ]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!