精霊が手に入れたものは 〜俺のものは俺のもの・お前のものは俺のもの〜

※TOS-R/ラタロイ/精霊が手に入れたものは〜の続編の派生ギャグ話


「おい、肩揉めよ」
「……」
「あ、それ、取って」
「………」
「やべ、マルタにグミを買ってくるよう頼まれたんだった」
「…………」



そこには在り得ないような光景が広がっていた。
何せ、ロイドがエミルに為すがままの状態…所謂、パシリのようになっていたからである。




精霊が手に入れたものは 〜俺のものは俺のもの・お前のものは俺のもの〜



「やってらんねーーーーーーー!!!!!」

契約したとわかったのは、数日前。
いきなり夜中に夜這いされるかのように、素肌に印を刻まれて、半ば強制的に契約を結ばれてしまった。
それを機に、エミルことラタトスクはいいようにロイドを扱う日々が始まったのだ。

エミルとラタトスクの命令する言葉は、契約した者にとっては絶対である。
あの凶暴な魔物ですら契約したあとは、エミルとラタトスクに付き従う。
其れと同じ原理で、ロイドは命令されればどんなことでも絶対に忠実に遂行してくれるパシリ♂サしていた。


現に、もうロイドは一日中エミルとラタトスクのパシリ≠していて体力が尽き掛けようとしていた。
幾ら契約で天使化が進んだといっても、体力には限界があるし、精神的には何ら変わりない。
ただ、唯一の救いといえばラタトスクがエミルに変わった瞬間である。
エミルの心優しい性格故か、ロイドに気遣って何も命令しないことがロイドにとっては何よりも安堵できる時間であった。
ただ、それもほんのひとときで直ぐに命令を出しまくるラタトスクに変わってしまうのだが。

まだ、魔物のように戦闘で命令されるならば良いが、日常生活のことで命令され続け、ロイドはとうとうラタトスクの前で大声を出して叫んでしまった。
勿論、ラタトスクは眉間に皺を寄せて、何だ?とロイドに聞き返した。

「何だ?じゃない!俺はお前のパシリか!」
「パシリじゃない。従者だ、いや奴隷か」
「同じだ!ふざけるな!…俺にはやらなければならないことがあるんだ」

最もそれはラタトスクもといエミルにとっても同じことである。


「何で好きでお前の肩揉みとか、物取りとか昼食とかつくんなきゃなんないんだ!そんな下らない事でいちいち命令なんかするな!」

ここぞとロイドは言いたい放題に言うも、ラタトスクはふーんとただ返しただけで、その態度に更にロイドの堪忍袋の緒が切れた。

「聞いてんのかよ!?」
「なんだ、下らない事を命令してるから気に食わないんだな」
「そ、そういう訳じゃ…」
「解った。じゃあ、…キスしろ」
「…は?」
「キスしろって言ってんだよ」

ラタトスクに言われたその命令に、ロイドは頭の上に?を浮かべるも、命令には逆らうことが出来ず、ロイドの身体は自然と無意識にラタトスクの方へと向かっていた。

「ふ、ふざけ…んっ…」

ふざけんな、と言い切る前にロイドの唇はラタトスクの元へと吸い込まれ。
決して短くないキスと、少し赤らめて酸素を取り入れようと乱れた息をするロイドの艶っぽい表情に、ラタトスクは満足気にニヤリと笑って答えた。

「へぇ、悪くねーな」
「…なっ…!」
「じゃあ、次は何して貰おうか」
「冗談はたいがいに…」
「そうだな、脱いでもらおうか」
「……!!!!!!」
「で、その後は…」
「それ以上は言うな…!!!」


その夜、ロイドの怒りの声と共に、絶叫が響き渡ったのは言うまでも無い。


***

パシリシリーズ第一弾。(笑
こういう俺様ラタとロイド大好きです。(笑)
2008.10.23〜2008.12.23まで掲載

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