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dream
trouble
「久しぶりだね」
「本当。久しぶり。だってあなた、全然会いに来てくれないんだもの」
 俺の位置から見えるのはリアの頭だけで、表情が伺えない。その口調は、怒っているのかな?悲しんでいるのかな?とりあえず
「ごめんね」
 その言葉に、リアはすぐに答えた。
「しょうがないわよね。お互い忙しいんだし」
いじらしさに、キュンとする。
 エレベーターから降りると、取った部屋に向かう。部屋のドアを開けると、窓のガラスが割れて床に散らばり、血の跡が奥の部屋に続いていた。うんざりする。勘弁してくれ…。Give me 平穏な日々。
「ちょっとここで待ってて」
 リアに見えないようにすばやく入ってドアを閉める。円をすると、やはり奥の部屋に1人いた。慎重に近づいて、そいつのいる部屋のドアを開ける。濃厚な血のにおい。暗い部屋のベットの上に、ぼんやりと人がいるのが見える。
「もしもしお客さん。部屋間違ってませんか?」
 そいつはピクンと動いて「ここは僕の部屋だよ」と弱々しい声を返してきた。いやいや、違いますよ。あーどうしたもんか…。リアが待ちきれなかったのか部 屋に入ってきた。電気をつけると、血まみれのベットの上に、ガタイのいい男が苦悶の表情で寝ていた。
「これまさか、俺が弁償すんの…?」
 高そうだね。インペリアルスイートだもんね。
「ひどい!そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!」
 リアは険しい顔でそう言った。おぉ!さすが白衣の天使。優しい!リアはそいつに駆け寄ると、顔に顔を近づけて「すぐに医者を呼ぶわ」と言った。
「…ほっとい…てよ…」
「何言ってるの?このままじゃ死ぬわよ!」
「医者は…いやだ」
 わがままだなー。ほっぽりだすよ?リアは困った顔をした後、毅然として言った。
「分かったわ。でも応急処置だけはやらせて」
 そう言うと鞄から必要なものを取り出し、テキパキと動いた。仕事熱心だね。ちょっと妬けるな。 
 しばらくして、そいつの状態は落ち着いた。さすがリア!頭が良くて、優しくて、ちょっとエッチないい女。リアがこっちを見たので笑顔を返す。リアは青い 顔 で聞いてきた。
「この人、変。ここにいるのに、いない…みたいな。気配が無いの。分かる?」
 そりゃー、絶してるからねーっつっても、わかんないよね。
「気のせいだよ、大丈夫。落ち着いてるだろ?」
 リアはそいつのそばを離れる様子が無かった。放置プレイかな?これ 

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