dream
刺青
待ち合わせに現れたクロロの顔を見て、額の刺青に気づいて驚く。
「うわー、すごいとこに入れたね。何?どういう意味があんの?」
近寄って、刻まれた刺青をしげしげと眺める。クロロがそっけなく答えた。
「別に」
「…ふーん、秘密なわけね」
そう言うと、今度は意味ありげに笑った。まぁ、言いたくないならいいけどね。むかつくけど。
「いいなー。俺も入れよっかなー。我永遠麗羅愛とか」
腕をまくってイメージを浮かべてみる。いやいっそ胸とかでもいいな。
「やめたほうがいいだろ。どうせ半年も持たないんだから」
クロロがばかにしたように言った。ふふーん甘い。
「レイラって名前の子と付き合うの5人目なんだよね。絶対また付き合う気がする。何か運命感じるんだよね」
得意気に言い放つ。びっくりしただろこのやろう。
「どんな運命の感じ方だ」
クロロは大して驚きもせずに、逆に呆れた様子で言った。
「誰に運命感じるって?」
突然聞こえた女の声に思わず身構える。目をさまよわせると、コンクリートの柱の影に、楽しそうに微笑むシェリーが立っていた。シェリー…、絶がうまく なったね…
「誰?」
「んー?俺の彼女でシェリーちゃん」
「あら、私が彼女ってことは、昨日あなたがよろしくやってた女は誰なのかしら?」
ぎくりとする。そーくるのね。あー顔は笑顔だけど、目が笑ってないね。目をそらして、小さく答える。
「何の事だかさっぱり」
「フフ、そう。あなたがそう言うなら、そういうことにしてあげてもいいわ。でも、次はないから」
最後の方に殺気がこもっていた。こえーーーー。びくびくと顔色を伺うと、美しい笑みを向けられ、とっさに引きつった笑みを返す。
「またね」
シェリーはかわいく投げキスをして、軽快な歩みで去っていった。ぐったりとへたり込んで不平をこぼす。
「女って何であー嫉妬深いんだろう」
だって君、毎日同じもの食えませんよ。
「さぁ?最初からセフレとして付き合えばいいんじゃないか?」
あっさりとそう言ったクロロの顔をまじまじと見つめる。セフレ?言うのか?女の子に…セフレになってって?
「ひどいやつだなお前」
「人の事言える立場か?」
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