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dream
ルート
 中に誰かいるな…。鍵を開けようとした手を止める。でも、何で絶じゃないんだ?…罠か?どうする。家を捨てるか?いや、ここまで来るやつなら逃げ ても同じか。無意識に口角が上がる。いいよ。遊んでやろうじゃん。
 普通に鍵を開けて、普通に家に入る。特に動きは感じられない。なんなんだ?侵入者のいるリビングへのドアを開ける。暗いリビングに、黒い人影が見える。 こいつ、多分強い。スイッチが切り替わるように、頭が静かになり敵に集中する。カーテンが風ではためいて、月光がそいつの顔を照らした。黒くて大きな目。 口元には笑みがあった。驚きに、口が開いて、息が漏れる。
「クロロ?」
 半信半疑に声をかける。クロロはにやりとすると言った。
「良かった。忘れられてたらどうしようかと思った」
「はぁ…」
気が抜けて座り込む。まったく…、迷惑なやつだ。
「悪いな。驚かせたか?」
 してやったりって顔に見えるけどな。睨んでやろうとするが、うまくいかない。自然と口元に笑みが浮かぶ。目の前のクロロの、前よりさらに増した 鋭さに、別れた時から過ぎたクロロの数年間が見えた気がした。ねえ俺も、そう見えてる?
「旅団の悪名は届いてるよ。派手にやってるみたいじゃん?」
「お前もな。A級首5人だろ?いやぁ、恐ろしいね」
 知っていてくれてうれしくなる。つらい経験も、報われた気がする。ごまかすように軽口を返す。
「お前も捕まりに来たのか?」
「フッ、それもいいな」
 なーにが。って、あれ?不意に引っ掛かりを覚える。
「お前、なんで俺の家知ってるんだ?俺、情報操作には結構金使ってるんだけど…」
 結構っていうか、かなり。クロロは笑みを浮かべたまま、肩を竦めると言った。
「さぁな?女との別れ方がまずいからじゃないか?」
 その答えに得心して、脱力する。
「そうゆうルートでも情報は漏れるわけね」
 頭に顔がくるくると浮かぶ。う〜ん、誰かなそんな、いけない子は
「相変わらず詰めが甘いな」
 クロロはからかいを含んだ声で言った。なんかこの感じ、なつかしい。苦笑して答える。
「以後気をつけます」 

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あきゅろす。
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