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dream
nurse
 あれ?ここどこだ?無理な姿勢で寝ていたからか体が痛い。頭が働き出して、寝る前の記憶がよみがえる。やっべー。不審人物の前で寝ちまった…。
男の寝息が聞こえた。リアの気配がない。不思議に思って、リビングに向かう。テーブルの上にメモがあった。かなり急いで書いたような字。

Dear ビアンカ
ごめんなさい。急な派遣要請があって、どうしても行かなきゃならないの。どうかあの人が元気になるまで見てやってあげて。
私は2週間は戻れそうにないし、連絡も取れないような所なの。本当にごめんなさい。
あなたならきっとやってくれると信じています。愛してるわ。

リア

 悪夢だ…。久々の逢瀬を邪魔されたあげく、しばらく世話をする。うっすらと殺意を感じる。今すぐ息の根止めてやろうかな。でもこんな律儀にお願いされた ら、やるしかねぇよなぁ…。リアの残したメモにキスをする。少しやる気が出てくる。
 
 ベッドルームに戻る。男は苦しそうに息をして、汗をかいていた。額に手を当てると、熱い。熱が出たか…。看病なんかしたことねーし、どうしたらいいかな んてわかんねーよ。
自分が大怪我をしたときのことを思い出してみる。ただただ休んで、傷がふさがり、体力が戻るのを待った。あれ?別にほっといても平気なんじゃ?腕を組んでしばらく男を見つめる。やはり苦しそうに見える。汗でも拭いてやるか。水も飲みてーかな?リアが用意したであろうタオルで汗をぬぐってから、水差しで水を飲ませる。喉が動いて水を飲んでいるのが分かる。 おもしれー。たぶん意識ねーのに。なんつー生命力。適当なところで止めると口元をぬぐってやる。あぁそーか。熱があんなら冷やしてやんねーと。袋に氷を入れ、タオルにくるんで頭にのせてやる。 
 こんなもんかな?座り込んで様子を伺う。息づかいも表情も、あまり変わったようには見えない。つーか、念も使えるみたいだし、やっぱほっといても同じ じゃねーのか?何やってんだ俺。あほらしー。ささやかな嫌がらせに、子守唄を歌ってやる。男は眉を寄せてうなった。

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あきゅろす。
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