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蒼紅
誓いましょう
「愛し続けることを誓いますか?」

神父の言葉が教会内に響く。
永遠の愛なんて考えもしなかった。自分の目の前にいる、この人に出会うまでは…。出会って、全てが変わった。この人とずっと共にありたい。

「誓います」

愛しくて愛しくてたまらない人と、やっと結ばれる。
将臣もヒノエも同じ思いで視線を交わす。
そんな二人の左手、薬指にはエンゲージリングが光に反射してキラキラと輝いていた。

「では、誓いのキスを」

その言葉を合図に互いに向き合った。
将臣がベールを手に取り、ゆっくりと持ち上げていく。すると、今まで隠れていたヒノエの素顔がはっきりと見えた。恥ずかしいのか緊張しているのか、頬を紅潮させている姿に将臣も緊張して表情が固くなる。
互いに心臓が早鐘を打って、段々と周りの音が聞こえなくなってきた。
しばらく二人は見つめ合い、ヒノエはゆっくりと目を閉じる。将臣も同じように目を閉じて―――唇を合わせたのだった。










「おめでとう!!」

教会から出ると、祝福の言葉がたくさん送られてくる。嬉しさと恥ずかしさ、両方が込み上げてきて、なんだかよく分からない表情になってしまう。

「将臣くん、ヒノエくん。末永くお幸せに!」
「ああ、幸せになってくれ…二人とも」
「いつまでも幸せに…仲良くいて下さいね」
「二人ならばきっと、大丈夫だ」
「どうか、幸せになりなさい」

望美に九郎、弁慶、敦盛、リズヴァーン。

「二人ともお似合いの夫婦よ」
「いつまでも、ずっと、お幸せに…!」
「……幸せにな、二人とも」
「皆二人のことを祝福している。私も心から祝うよ、二人を…」

朔、景時、譲、白龍。
皆が幸せにと優しく笑ってくれている。
将臣とヒノエはそんな皆に精一杯の笑顔を向けた。

幸せ
それは愛しい人と共にいるから、というだけじゃない。
皆がこうして認めて、祝福してくれているから。









将臣はヒノエの手を取って、こちらに引き寄せる。

「ヒノエ…絶対に、幸せにする」

真剣な表情で見つめれば顔を赤くして。

「これから、よろしくお願いします…将臣」

恥ずかしそうにしながらも、ぺこりとお辞儀をするヒノエに耐え切れずに将臣は思いきり抱き締めた。だが、すぐに離れた為に不思議そうな顔をするヒノエにニッと笑い、将臣はヒノエを軽々と抱き上げた。

「ま、将臣!!」
「あんまり暴れると落ちるぜ?」
「……バカ」

横抱きが恥ずかしかったらしく暴れていたヒノエだが、段々おとなしくなり、首に腕を回して抱き着いてきた。
そして将臣とヒノエは互いに見つめ合い、幸せそうに微笑んだ。

「「愛してる」」

もう一度、唇を重ね合わせて
誓いましょう

病める時も健やかなる時も、あなたと共に

一生傍にいることを
愛し続けることを

誓います




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