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5月30日(ピスメ)


※切→甘?/転生パロ/沖田さん





「…カハッ…!!!」

『沖田さん…っ!』


弱々しく布団に横たわる彼の口からは真っ赤な血が溢れていた


『大丈夫ですか!?…っ?沖田、さん…?』


近寄り口元を拭ってあげると体を起こそうとする沖田さんの背中に手をあて手伝う


「ハァ…ハァ…ゲホッ…」

『寝てないといけませんよ』

「っ…私には…ゲホゲホッ…時間がない…ッ」

『…沖田さん…』


私の腕をやんわりと掴む沖田さんの顔が見えるように更に近づく


「ハァ…ッ名前さん…」

『ッ…はい…?』


溢れそうになる涙をこらえて笑顔を作り首を傾げる


「必ず…逢いに行きますから…」

『え……』

「ゲホゲホッ…ったとえ…時間がかかっても…っ…必ず…」

『…はいっ…ずっと、ずっと待ってますね…』


こらえていた涙はもう流れてしまっていたけど笑顔でそう告げると彼はいってしまった。


『ずっと…』





―――――――……
―――――……
―――……



『ずっと待ってますね…』


あれからどれだけの年月が経ったのだろう

彼は未だに現れてはくれない


『…お墓の前になんかやっぱり来ないかな…』


今度の私は普通の女の子として産まれ今は女子高校生として過ごしている


『今日は5月30日だよ…沖田さん…』


毎年5月30日にはお墓に来ている。年号等のズレで彼がこの世を去った日は本当は違うかもしれないけれど。


『……』


もしかしたらここで会えるかもしれないという小さな願望もあったりする。


『…っ…いつになったら逢いに来てくれるの…?』


お墓の前で泣くなんて頭がイカれてるって思われるかもしれない。迷惑だと思われるかもしれない。


『…っ…』


溢れる涙は止まらずお墓を離れることにした。


『っ…ズズッ…もう忘れてるのかな…』

「忘れてませんよ」

『っ…?!』


聞き覚えのある声に涙でぐちゃぐちゃの顔にも関わらず振り向いた


「やっと逢えましたね…」

『っ…沖田さん…!!!』


何度も何度も夢に見た。彼が私を見て微笑んでくれる顔を、私の名前を呼んでくれる声を、強く抱きしめてくれる腕をずっと待っていた。



(遅いです…っ)

(すいませんでした)

((やっと逢えた…))




END。


+++++++++++++++++++

5月30日が沖田さんの命日と言われる日(説が多い日)なので突発的に書きなぐりました。

「彼はいってしまった」というのを平仮名にしたのは逝くと行くを表したかったんです。

ちなみに主人公(高2)沖田さん(大1)という設定だったり…(笑)

ピスメ連載の方でまだここまでいってなかったので書きながらちょっぴり涙が出ました。黒乃先生もこんな気持ちなのかなぁ…と少しだけ感じてみたり…。

この2人の続きはいつかまた書きたいなぁと思ってます(^◇^)

感想などありましたらよろしくお願いします☆


2012年5月30日*ふぅ*

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