あの日(海賊)
※白ひげ海賊団(2年後/捏造)
『マルコさーん!』
「あ?」
『もう着きますよ!』
「わかったよい」
"あの日"から毎年とある島に立ち寄る事を決めている。決して忘れる事のない出来事と決して忘れられない人達を思い返すかのように。
『よーし!到着!!』
「あんま急ぐと転ぶぞ」
『大丈夫ですよ!うわっ…!!』
言ったそばから転ぶ名前に呆れながら自分も降り立った
「………ただいまよい親父、エース」
偉大なる彼らに挨拶をすると優しい風が吹いた気がして少しだけ胸が締め付けられた
『…ッ…お父さん…エース…ッ』
「………」
名前は唯一の娘で産まれてすぐ捨てられていたのを親父が拾った。言うならば甘えん坊な末っ子だった。
だけど"あの日"から甘えるのをやめた。
「………」
『っ…グス…ッ…』
きっとおれ達を見ていたからだろう。情けない位に何も出来なくて泣いていたおれ達を。
『お…とうさん…っ…』
誰よりも親父を必要としていて誰よりも親父を愛していた名前にとって親父がいなくなった事は想像も出来ない位に辛い事だっただろう。
「………」
だけど名前がおれ達を動かしてくれた。口をへの字に食いしばり溢れそうな大粒の涙を堪えながら。
『いつまでも泣いてはいられないですよ!』
『私達の周りにはまだ敵がいるんです』
『こんな恥ずかしい姿をお父さんやエースに見せないで…っ!!』
誰よりも弱くて誰よりも泣きたくて仕方なかっただろう
"あの日"から1年が経ちこの島を訪れた時に初めて大声で泣いた名前に自分の情けなさは浮き彫りになった
「………すまなかったな名前」
『っ…グスッ…え…?』
「泣かせてやれなくてすまなかった…」
『!!』
今のおれ達が在るのは名前のおかげと言っても過言ではない
感謝と後悔や懺悔の気持ちで今のおれの胸の中はぐちゃぐちゃだ
『…ズッ…私が、私が決めた事なんですから…謝らないで下さい…』
鼻をすすりながら言う名前を見ると穏やかに笑っていて目頭が熱くなった
『マルコさん』
「?」
『私はお父さんに恥じない海賊になります』
「………」
涙を乱暴に拭い鼻を赤くしたまま言う名前の姿が一瞬エースと重なった。
「…名前ならなれるよい」
涙を流さない様に堪えながらやっと出た言葉は何とも安っぽいありきたりな言葉だった
『やった!マルコさんに太鼓判貰った!』
そう言うとはしゃぎながら花を摘みに行った
(あいつなら立派な海賊になれる)
(だよな?親父)
一歩踏み出す勇気をくれたあいつなら必ず。
END。
+++++++++++++++++++
何だか白ひげさん家の話を書きたくなって書きなぐりました。
2年後彼らがどうなったのか私はまだ知らないので捏造120%です(笑)
思わず書きながら涙が出たのは内緒です←ww
良かったら感想下さい☆
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