透涙


田島の言葉に、俺は何も応えられなかった。

何とも思わない…?

田島の視線に、うろたえてた。どうしたらいいか解らずに。だから考えた。"ワダカマリ"が生まれた。


ジワジワと湧き上がる快感に、身を捩らせる。

こんなんじゃ、ちゃんと考えられない。田島、手ぇ止めろよ。俺、半端に応えたく、ねぇ…っ


あ、やば、


「いっ…!」

「イッてよ、イケよ阿部っ…!」

「う、っぁ、」



田島…田島、

田島の目は、ただ、俺だけを見てる。



の ぞ み



ゴメン…俺、



お前が言ってた、"意識する"って、何だか解った気がする。お前の泣き顔が、今でもまざまざと浮かんで来るのに。


「スキって何?」



栄口に未知だと答えた。
それは…希に対して、どんな感情を持ってるかって、そういうことだったんだろ?


田島は"スキ"なんだろ?…俺のこと。田島も、物好きだよ。こんな俺の、こと。

希も、
田島も、

何で俺なんだよ?



あー…流されてンのかな、俺。
どっちにも。
それって責任転嫁だよな。



ゴメン、な。


希 …田島




田島の手を、白濁が伝う。


「ふ、」

「阿部、すご、かわい…っ」

「田島、俺は、」

「…もっと見たい。希さんにも、誰にも見せたコトない、阿部を見たい…」





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