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02






小鳥の泣き声が響く朝。涙を拭き取り、朝ごはんの支度をする美咲は考えている事があった。

あの、おばさんの元へ新年の挨拶に行くかどうか。これは総悟と銀ちゃんと相談して決めようと思っている。
それと、初詣でに行くか行かないか。行くなら今日だろう。人の多い所だから、もしかすると晋ちゃんや退に会えるかもしれないという思いもあったから。



まだ寝ている2人を起こしに、部屋まで行った。










『銀ちゃん、総悟起きてー』


「ん・・・?美咲、あけおめでさァ」


『明けましておめでとう、でしょ?ちゃんと言いなさい』










そういえば小さい頃も怒られてたよね。みんな、明けましておめでとうって言ってるのに総悟だけ、あけおめーって略して言ってたっけ?
それでお母さんに怒られて、泣いてたような。











「お、今日はお雑煮か!こんなの、どこで覚えて来んだよ」











いつの間にか起きていた銀ちゃんは、お雑煮の前で騒いでいた。










『えっと、おばさんに作らされてたからかな』











正月のお雑煮などの料理は全て、美咲が作っていたのだ。
それを聞いた銀ちゃんは私の頭を一撫した。よく頑張ったな、と呟いて。その言葉で泣きそうになったが、そこは我慢。


いつも泣いてるようじゃ、強くなれないから。











「初詣行きやしょうか、甘酒でも飲みに」


「酒はお前にはまだ早ェって、総悟。せめてオレンジジュースな」










私も初詣には行きたいと思っていた所だし、丁度いい。朝ごはんのお雑煮を3人で食べたあと、大江戸神社へ向かった。
大江戸神社はこの辺で一番大きな神社で、人がたくさん集まる所。だから、晋ちゃんや退に会えるかもしれない。

私が喜んでいるのを、銀ちゃんと総悟は悟ったようだ。




外は1月だというのに、少し暖かかった。マフラーに手袋は完全防備すぎたかな、と少し後悔しつつ大江戸神社目指して歩き出した。
神社まではそう遠くないが、途中で知り合いなどに会って銀ちゃんが長話するもんだから着くのに時間が結構掛かってしまった。










『うわ、人いっぱいだね。銀ちゃん、私牛のキーホルダー欲しいな』


「へいへい、でもこの牛って美咲ちゃんにそっくり」










銀ちゃんは近くにあった牛の人形を取り、私の目の前に持ってきた。
銀ちゃんを睨みながら、その人形を元あった所へ戻した。









『それどう意味?私が牛みたいにデブって言いたい訳?』


「ごめんなさい、調子に乗りすぎました。銀さんが悪かったです」


『よろしい、』









許してあげよう、と言う前に可愛い牛のキーホルダーを見つけた。緑色の牛で、お腹には絆という文字が書いてあった。
そして、その牛の手には四葉のクローバー。美咲の好みの可愛いキーホルダーだった。値段もそこまで高くないのでそれを買ってもらう事にした。



総悟にも声を掛けたが、いらないと言ってどこかへ言ってしまった。可愛くない奴、と呟いてからお参りをする為長い長い行列の最後尾に並んだ。
携帯の時計を見つめながらずーっと寒い中立っているが、並び始めてまだ5分しか経たない。列は全く動かないし、寒い。





すると、今流行っている音楽が私の携帯から流れてきた。メール受信と表示され、名前の所には総悟と表示されていた。
迷子にでもなったのかな、とメールを開くと前に来なせェとだけ書いてあった。銀ちゃんに一言だけ言って、前の方へ行くと1人で総悟が並んでいた。

銀ちゃんと引っ張って、総悟が並んでいた所へ割り込む。









『ナイス、総悟!さすがだね』


「あー、寒ィ。美咲たちが選んでる間ずっと並んでたんでィ」


「帰って一緒に甘酒飲もうな、総悟」









ご機嫌な銀ちゃんは総悟と肩を組んで、高笑いしていた。
恥ずかしいからやめてよ、と言って銀ちゃんを総悟から放した。総悟も総悟で、甘酒ーと浮かれている。


全く、2人ともだめだめなんだから。








あきゅろす。
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