6月のゲジゲジ
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梅雨前線の影響で、今日もシトシト空が泣く。
傘を片手に、学生服に身を包んだボクは今日も足取り重く学校へ向かった。
最近の学校はあまり好きになれない。
新しいクラスは、友達を作ろうにもボクの話をまともに取り合ってくれる人なんかほとんどいないし……。
誰かに話しかけても、大抵が半笑いでこちらを見やるか悪態をついてくる。
どうしてそんな態度を取られるのか。
何が原因なのかさえ、今のボクには分からない。
「行きたくないな……」
自然とため息が漏れ、否定的な言葉が口をついて出た。
(うぁっ!!今ボク、すごくネガティブだった!?ダメだ!!今のナシ。しっかりしろ!!ボク!!)
自分のマイナス妄想を打ちのめそうと、ボクは空中で必死に手をバタつかせた。
昨日パンちゃんにされた…………ちゅぅ…………の毒牙のせいで、ヒットポイントが半分くらいになっているんだ。だから弱ってるんだ。
きっとそうだ。
「一年の時は普通に友達いたんだから……大丈夫。まだまだ、これからだ」
ボクはそう自らに言い聞かせ、めげない事を誓った。
どんなに嫌でも、足だけは教室に向かう。習慣とは恐ろしい。
途中、校庭にある校訓碑の隣に咲いたあじさいを見て大分リラックスする事が出来た。
同時に、気持ち良さそうに雨の滴を全身で受け、凛と鮮やかに咲くあじさいの美しさに元気をもらった。
朝一番の校舎内は人影もまばらで廊下はシンと静まり返っており、体育館から聞こえる運動部の活気ある声とはとても対照的だった。
教室の前まで着てドアの取っ手に指をかけた所で、ボクは室内に人の気配を感じた。
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