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第三の国
人間扱い2

「……そうなのか!?」


男はあろうことか近くにいた若い奴隷に、ことの詳細を確認した。



「あ、あの……はい。そぅ……です」



誰でもこう答えるしかない。



折檻されるのを恐れた少年は、俯きながら震えていた。


「貴様!!我々を疑うのか!?」

「無礼なヤツめ!!」


躍起になる監視や門番たちを前にしても、男は冷静だった。



「私はただ本当の事が知りたいだけだ。……別にお前を責めたり叩いたりはしない。教えてくれないか!?」



男のその言葉に、奴隷たちは喫驚した。



今まで、こんな風に奴隷たちを人間扱いした監視はいなかったからだ。



問われた少年は、肯定したくとも出来ずに泣き出してしまった。



俺とチェダーもいつの間にか揉み合いを止め、真剣に男を見つめていた。



「今言った通りだ!!全てはそいつらクズの不遜な言動のために起こったことに過ぎない!!これ以上の余計な詮索は止めろ!!」



痺れを切らせた監視が、男の喉元に剣先を突きつけた。


それでも男は怯まない。


「ふざけんなよ!!アイツラは水が欲しいって言っただけなのに、お前らが熱湯をかけてきたんだろうが!!」


「そうだ!!俺たちはメシも食わねぇで我慢して働いてんだぞ!!」



「水を飲ませろ!!」



「恥を知れ!!」



一人目を皮切りに、奴隷たちの間では次々に不満の声が上がった。



「お前ら!!静まれ!!黙らんか!!」


鞭を振るう監視たちだが、奴隷の方が数は上だ。


あちこちから飛ぶ野次に、高砂抜きの監視たちでは収集がつかない。


「うるせぇ!!高砂の腰巾着が!!」


「あいつがいなきゃ、こっちのもんだ!!」


奴隷たちの口にも熱が籠り、辺りは奴隷と監視による乱闘の一歩手前だ。





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あきゅろす。
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