第三の国
狩り4
「「「ロックフォール!!」」」
「なんだよ。それならそうと早く言ってくれよ。これから三人で一発かまそうってんだろ!?おっと!!声をかけるなんて、こりゃ無粋なことしちまったな。がっはっはっ。俺のことは気にせずやっちまってくれ!!」
ロックフォールの登場とそのとんちんかんな物言いに、周りの奴隷たちはついに涙を流しながら笑い始める。
「……下品」
パルの耳を両手で塞いでいるチェダーが目を細めた。
「んぁ〜!!もう!!なんだよチェダー、耳塞ぐなよ〜!!なぁ!?ロックフォール!?さっき何て言ったの!?」
「子供は聞いちゃいけません!!」
「チェダー、俺の母ちゃんみたい」
「違ぇねえ!!」
和気あいあいとみんなが盛り上がる中、俺はロックフォールに近づいた。
「ロックフォール……ちょっと」
「何だ!?ここじゃマズイ話か!?」
「うん……まあ」
相変わらず魂の抜けたゴーダと、パルや他の大人たちと談笑しているチェダーに視線を飛ばした。
ロックフォールはそんな俺の様子に直ぐに気がつくと、大部屋からの退出を促した。
「ところでよ……ゴーダのやつはどうしたんだ!?大丈夫なのかアレは!?」
「あぁ。大丈夫だって!!ただ恥辱で魂が抜けかかってるだけだから」
「…………ゴーダのやつ、気の毒になぁ。お前みたいな友達持っちまったせいで。くぅ〜!!俺はあいつが不憫でならねぇ!!」
「……どういう意味だよ!?」
二人でヒッソリと大部屋を抜けながらそんな話をした。
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