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第三の国
賭け7*


力強く上衣が剥ぎ取られ、布地の裂ける音がした。


あけびに救われた晩に新しく用意された奴隷服はまだ着てからそう日も経っていない。



これまでみたいに労働で泥や汗にまみれ、年季の入った大衆部屋で雑魚寝することもなければ、日照り続きで何日も水浴びの許可が下りないような不潔極まりない衛生環境じゃない。



監視棟の最上部で真綿でくるむように労られながら日々をのうのうと過ごしてきただけだ。




そんなんで、服が汚れる筈がない。




「……ぅぅっ!!」


胸の頂きにキツく吸い付かれた。食まれる。ビクリと腰を揺らせば、筆先をひっくり返すように何度も舌が突起を撫で払った。



「ふ…んんっ!!あ、ヤバい。ちょっと…気持ちい」


そうウソぶいていられたのも突起が赤く熟れるまで。針に刺されるような鋭い痛みが瞬時に胸から全身に駆け巡った。



「ちょ…ヤメロ!!離せバカヤロウ!!あっ…んんっ!!い…た…ぃ」



千切れる!!


尖った歯が磨りきるように左胸の突起を噛み潰す。繋がった両手であけびの頭を強く押し返したがそれでも口は離れない。



「ふざけんなっっ!!」


余りの痛さに怒鳴りつけながら相手の毛を強く引っ張った。


勢い良くむしり取った長めの黒髪は指の間に絡まり、俺はそれをギュッと握りしめながら出血した左胸を腕で荒々しく擦った。







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