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第三の国
リコッタの奴隷


もうすっかり日も落ちたというのにリコッタの夏は夜でも暑い。


「クソ暑ぃ。」


あまりの暑さに俺は小さくそう呟いた。


息を吸えば熱気を持った空気が肺に送り込まれ、毛穴からは止めどなく汗が吹き出す。


一日中働いて、髪も服もべっとりと体に張り付いて気持ちが悪かった。


「木材はもっと丁寧に運べ!!」

「すみません!!ひぃぃ!!」


「立て!!まだ亀の方が早く動けるぞ!!もたもたするな!!」

「はいっ!! ぐぁぁ!!」


辺りが暗くなっても、あちこちの作業場からは監視役の罵声と奴隷たちの悲鳴が絶えることなく聞こえてくる。


この環境が日常茶飯事になってからもう随分と久しい。俺の住むこのリコッタだけでも総勢二千人を超す奴隷がいる。


女も子供も例外なく監視役から理不尽な理由で鞭打たれ、今はひたすら苦痛に耐えるだけの辛い毎日を送っていた。



木材を抱えながら歩く俺の横でオレンジ色の炎が大きく揺らめくーー


所々に設置された篝火の炎が完成間近の荘厳な姿をした宮殿を幻想的に照らし出していた。


俺は足を止めて頭上に目を凝らした。



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あきゅろす。
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