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第三の国
決意5


エメンタールの無事を確かめさえ出来れば何でもするという言葉に嘘はないけど、それでもこんな提案、おかしい。ふざけてる。


そう思うのに、目をそむけても感じる椿の凄みにゴクリと喉が鳴った。


怯んじゃいけない。毅然としていなければ。俺は腹と足に力を入れて拳を固く握った。動揺に泳いだ目線をもう一度前に定めた。


椿から源平……そして、パルへ。



そこでようやく気がついた。


二人の監視が俺に向けているのは、侮蔑の感情なんかじゃない。




厳しい眼差しは静かに試していた。






俺の言葉を。





俺の本気を。











まだ大分濡れている服は、脱ごうとすると重く体に張り付いた。薄汚れた奴隷服を一枚脱ぐ。外気に晒された肌が寒いと小さく震えた。鳥肌が立つ。パルが息を飲んで俺を止めようと一歩踏み出したが、俺は構わずズボンに手をかけ、下着ごと一気に脱ぎ捨てた。


「チェ……」


言葉を失ったパルが真下を向いて俯いた。


「離宮一周でいいですか!?」

素っ裸で仁王立ちし、監視たちに問いただす。二人は心底驚いた顔をして俺を見た。椿の視線が、俺の体つきを追っていく。その目が下半身に向けられると、全身から火を吹きそうなくらい恥ずかしくなった。顔が熱い。






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あきゅろす。
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