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第三の国
現れた天主11


「専属奴隷……そんなモノ、本当に必要ですか!?」


「くくっ……勿論だ。監視なら誰しもが望む。己だけの為に生き、尽くす、己だけの子羊。ああ、何と心が満ち癒される存在だ!!」


俺にはより従順な家畜が欲しいと言っているようにしか聞こえなかった。二千を数える奴隷たちの中にも華奢な体に美しい顔立ちを持つヤツはゴロゴロいた。そんな輩はこぞって専属奴隷にされていったが、綺麗な姿を保っていられるのは精々が一季。その末路は決まって同じだった。






「飽きたら、拷問にかけて殺すのに!?」




従者の輪が一斉に息を詰めた。高砂はまんじりともせず、瞳の奥で鋭く光る殺気で俺を威圧した。罪を犯した者に対する公の処刑は国に任されていても、人知れず体罰で命を落とす奴隷は腐るほどいる。コイツらは……特に高砂は、その諸悪の根源だ。


「生意気な餓鬼だ!!」


尻をまさぐる手が服ごと一気に後孔に指し込まれた。反動で胸がのけ反る。木椅子を蹴飛ばそうと上げた足は従者に止められ、反対に肩や腕を筋骨隆々の腕が押さえつけた。椅子がかん高い音を立てて接近する。腰に強い衝撃を受け、生暖かい人肌を感じた。



「離れろ…っ…!!」


とぐろを巻くように腰に絡みついた高砂を引き剥がそうとしが、出来なかった。


「ぐぁ、ぁああ!!いっ……ぶぐっ!!」


ぐりぐりと円を描きながら容赦なく穴を犯される。あまりの痛さに上げたうめき声も、背後の従者に口を封じられて呆気なくくぐもった。


「いいか、エメンタール。私は可愛い家畜を愛でてやるのが好きだ……ゴーダのように大衆の前で楯突くような身の程知らずでも、お前のように上っ面だけ取り繕って腹の底では密かに監視たちを侮蔑するようなヤツのでもない。くひひっ……ひひっ。私が求めるのは……リコッタで1番清く、麗しく、性に慣れない純粋な子羊だ!!」


皮膚の裂ける痛みが脳天まで突き抜けた。中から腸をえぐられる感覚と、高砂の求める奴隷像が久しく逢っていない親友とぴったり重なる。


「あの時のあの子の顔は良かった!!くひひっ……涙に顔を濡らし、私に貫かれながら必死にゴーダを呼んで。ふっ……はははは!!」


押さえつけられた筋肉が怒りにブルブルと震えた。内股を伝う滴が廊下に垂れ、胃からは何が逆流してきた。


「だが、本当に私の物にするには壊しておかなければならないものが二つある……何だか分かるか!?」


高砂は俺の尻からズルリと指を抜くと、こう言った。










「奴隷の心と、ソイツが大切にしていた人間との絆だよ」





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あきゅろす。
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