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第三の国
二人目の犠牲者9

「あの子とは大違いだな……くくっ。以前お前たちを庇って私に抱かれたあの子、何と言ったかな!?……ひひっ。ああ、ダメだね……もう名前すら忘れてしまったよ。だが、あの子はちゃんと奉仕していったぞ!?……なあ!?お前たち、覚えているか!?……あのソバカスだらけの汚ならしい少年を。くっくっくっ」



「ああ、あの子ですか。ええ確かに。みすぼらしい見た目でしたが、仲間には手を出すなと必死でしたね」



「アッハハ。涙を流しながら奉仕する姿など、見事なまでに卑しい奴隷で……何度見ても実に傑作でした」



「……何度、見ても!?」



「おや!?知らなかったのかい!?くひひっ……あの子が私に抱かれたのは一度や二度ではない。死ぬ前日まで、ずっとだ」



「どう……!?」



続きは、口に出来なかった。答えなんか、聞かなくてもわかったから。



「どうしてか!?くくっ。嘘はいけない。本当はわかっているのだろう!?幼い彼の、涙ぐましいまでの友情が。んっ!?チェダー」



「ヤダ……やめろ!!」



「そう。もちろん、お前たちを守るためだ!!くひひっ。私の気が他に逸れないように、必死に繋ぎ止めていたんだ。……だが、彼は思い悩んでいたんじゃないのか!?あの小さな頭を抱えてな。くくっ。亡くなる間際は随分と痩せこけていて、ちっとも抱き心地が良くなかったから私も良く覚えているよ。……それともお前たちは、そんな事にも気がつかずに安穏と生きていたのか!?くひひひひっ」



「ちがう……そんなの……違うんだ……」



「くっくく。何も違わない。鈍感なお前たちは、あの子をずっと犠牲にしてきたんだ。ああ、可愛い私のチェダー。あの子を殺したのは一体誰だ!?」



「やめろ……やめてくれ……聞きたくない!!」





「何も知らないお前たちが殺したんだよ」



そう言うと、高砂は床に頭を擦り付けて項垂れる俺を嘲笑った。




知らなかった。



悩んでいたことには気が付いていた。だけどまさか、高砂との関係が続いていたなんて。



あの日以来、著しく生命力を削っていったブリ。



幼い俺は、ブリはショックから衰弱していったのだとばかり思っていた。



俺は、何て馬鹿で愚かなんだ。



「もっと早く気がつくべきだった。チェダー、お前はこんなにも美しかったのだな……ああ、早くその体を私におくれ!!」



「うっ……はっ……」



「香を焚け!!」


「御意」



再開された体への愛撫と、嗅がされた香と同じ匂いに下肢が浅ましく反応した。




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