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お礼2(ツナ総受け?)


十代目ボンゴレ沢田綱吉は、ファミリーのアイドルである。


良きにしろ悪きにしろ、人を惹きつけて止まない彼にはファンが多い。


とても多い。


しかし、沢田綱吉は一人だけ。もしも特定の誰かのものになるとしても、残りの99%はそれを指をくわえて見ている羽目になるのだ。


そんな気の毒な沢田綱吉ファンの為に立ち上がったのが、ボンゴレの技術開発部である。


建前は”みんなに十代目の良さを実感してもらう為”と、うたってはあるが実のところ完全なる開発者の趣味である。


ジャンニーニ、スパナ、入江正一というスペシャリスト三人の技術の粋と趣味と、組織内で極秘に行われた”好みのパターンアンケート”のデータを基に作られた育成ゲームプログラム、


『沢田綱吉育成計画』


どこかで聞いたようなタイトルだが、それはまあ気にしないでほしい。


ハードはPSPのデザインを借りてはいるが、中身は完全ボンゴレオリジナルのものだ。これ以外のハードではプレイすることはできないし、他のハードを使用すれば機密保持の為にプログラムがデリートする仕組みになっている。


このゲームは、ハードとソフトの梱包セットで完全予約注文で極秘にボンゴレファミリー内部で売り出された。受注してからの追加製作になるので時には半年待ちという者もいたが、それでも注文が途絶えることはなかった。


この特殊なゲーム機は、本人入力のパスワードで管理されるシステムになっており、三回入力に失敗すれば他のハードへ入れた時のようにプログラムそのものが消去される。つまりは、他人のものを奪ってもプレイできずに終わってしまうのだ。


故に、欲しいものはひたすら待つしかないのである。


ここまで念のいったセキュリティにはもちろん理由がある。


何があろうとも、絶対に十代目ドン・ボンゴレ沢田綱吉には知られてはならないからだ。


綱吉本人にこの事が知れれば、間違いなく開発部のラボは最大炎圧のXバーナーでぶっ壊されるだろう。


開発者達とて命は惜しい、それにラボを破壊されてはゲームの開発もできなくなってしまう。それはボンゴレのヘビーユーザー達が全力で拒絶していることだ。


第一弾は大ヒット、すでに第二弾の構想も大まかにできており、ユーザーからの期待も高い。


念のために販売時に、綱吉に情報がいかないようにとの箝口令も敷かれたが心配も杞憂に終わり、ゲームを楽しみにしているユーザー達は自ら頑なに口を閉ざし秘密を守っていたのだ。



そして、ここはボンゴレの技術開発部。


こそこそと、なにやら秘密裏にミーティングが行われていた。



「…ヴェルデが第二弾の開発に加わりたいってオファーがあったそうだね?」


「うん。ウチらのプログラムには遊びが足りないとか、育成ゲーの真髄はこんなもんじゃないとか」



真髄ってなんだ、真髄って。


思わずツッコミをいれたくなる正一だったが、まあ彼が開発に一口乗ってくれるのは賛成だ、より高度で濃密なプログラムが仕上がることだろう。



「今回の売上で第二弾の開発費もがっぽり儲けましたからねー!前回以上に凝った事ができますよ!」



つやつやとした額を光らせながらジャンニーニは終始ご機嫌だ。



「四人いれば開発速度も上がる。ウチは賛成だ」


「無論、僕も反対するつもりはないよ。そういう話ならさっそく企画会議をやろうか」



こうして、沢田綱吉育成ゲーム第二弾の開発が始まった。





近日、発売予定らしい−−−








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あきゅろす。
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