[携帯モード] [URL送信]

小説
Vampire's NightB(吉良康)
(無理やりです!苦手な人注意!)


サクサクサク。
朝もやが晴れ切らない状態の森を歩いていく。霜の降りた落ち葉を踏むとパキパキと壊れていくのがたまらない。まだ夜が明け切らない冬の森を、僕はあても無く歩いていた。
これは誰も知らない僕の趣味―早朝のお散歩。こうして何の音もしない森を歩いていると、まるで世界に存在しているのが僕一人だけのような、そんな気分になるんだ。そうしてスッと僕を取り巻く環境や人、仕事、すべてが消えていき僕は自由になる。清々しい開放感に浸れる時間。
そんな、誰も知らない僕の秘密。

誰も知らなかったはずの、僕の秘密。


Vampire's NightB



パキリ、と足の下で乾燥した小枝が折れた。頭上の枯木達は風が吹く度、ザザザと大きな音を立てて揺れている。まだ随分寒い。僕は白い息を吐きながらローブの前を掻き合わせ、サクサクと歩を進めていた。僕の歩く音以外なにも聞こえない。一人だ。いつもの開放感と少しの孤独が僕を包み込む。落ちているどんぐりを適当に拾いながらどんどん進んでいると、いつも一休みする大きなブナの木にたどり着いた。太い根の一つに腰掛けながら僕は持ってきた魔法瓶からお茶を飲む。冷えた体がぽっと温まるこの瞬間が僕は好きだ。木に腰掛け、木々のざわめきと起き出してきた鳥たちのさえずりをぼんやり聞いていると、突然「…おはよう、康一君。」と
耳元で囁かれた。心底びっくりして「うわああ!」と叫びながら振り向こうとした瞬間、僕の口元に布が押し付けられ、そのまま目の前が真っ暗になった。



‐‐‐‐‐‐‐‐‐


「…うぅ…ん……」

頭がふらふらする。僕、何してたんだっけ…?
重いまぶたをうっすら開けると見知らぬ天井が目に入った。

(どこだ…ここ…)

パチパチと火が燃える音がしている。誰かいるのだろうか。

「あ…の、誰か…」
「おや、康一君目が覚めたんだね。」

ギシッと床の鳴る音がして、そこから聞き覚えのある声が聞こえてきた。視線をそちらに向けると、そこにいたのは

「吉良…吉影…!」

頭から血の気が引いていった。どうしてこいつがここにいる?一体なにが目的で?
様々な疑問が一瞬のうちに頭の中を駆け抜けていく。身の危険を感じ、手を床について体を起こそうとしたが無駄だった。両手は胸の前で縛られており自由が効く状態ではなかった。仕方なく肘だけで無理やり起き上がった。

「なっ…なんだこれは!一体どういうつもりなんですか!」

吉良さんは暖かそうなブルゾンジャケットを羽織り細身のGパンに登山靴を履いて立っていた。ポケットに手を突っ込み、無言で僕を見下ろす姿からは何の思惑も読み取れず、心底恐ろしかった。

「こ、ここは…ここはどこなんですか?!」

きょろ、と回りを見回すと家具の類は一切無く一目で空き家だということがわかった。

「ここはさっき康一君が座ってたブナの木からもう少し奥に行った所にある小屋だよ。昔はキコリが住んでいたんだけどねぇ、いつの間にか空き家さ。」

吉良さんが説明しながら一歩ずつゆっくりと近付いてきた。ギシッと軋む床に思わず体が強張っていく。

「なぁ康一君…やっと、二人きりになれたね…。」
「え…?」
「私が何度誘い出しても応えてくれないからもしかして嫌われたかと思っていたんだけど、ただ恥ずかしがっていただけだったんだよね。ごめん、私がもっと積極的になるべきだったよ。」

何度も、誘う…?何を言っているんだコイツは……。僕と吉良さんは例のあの日から一度も話していないし、ましてや会う約束だってしていない。何を勘違いしているだこの男は…。そう不振に思って吉良さんの目を見るとまるで現実が見えていないかのような、瞳孔の開ききった目をしていた。

「う、うわああぁ!」
「おや、どうしたんだい康一君。急に叫んだりして…。あぁ、そうか。怒っているんだね、僕が早くこうして君に会いに来なかったことに。ごめんよ、その分今日はたっぷり愛してあげるからね。」
「イヤッ…あっ!」

ガバリと突然吉良さんは僕に覆いかぶさり、司祭服の裾から手を入れ下に履いていたズボンをズルリと脱がしてきた。勢いでパンツも太ももまでずり下がってしまった。

「や、いや…なに…?」

冬の朝の冷気が途端に僕の下半身を包み込む。一気に鳥肌がたった。

「やだ、吉良さん…か、返して…寒い」
「大丈夫、すぐに温かくしてあげるから。おや、パンツも脱げかけているね。こんな状態ならいっそのこと脱いでしまおう。どうせいらなくなるんだしね。」

司祭服の裾から手を差し込み僕の足を下から撫で上げていた吉良さんはそういうと、無情にも僕のパンツをスルリと引き抜いていった。

「よし、じゃあ上も脱ぎ脱ぎしようか康一君。ほらじっとして。」

ニヤリと笑った吉良さんの手が僕に迫って来る。この手に捕まったらおしまいだ。僕はそう直感した。

「イヤッイヤッ、怖い!助けて、誰か!助けてぇ!」
「暴れちゃダメだろ。それにこんな森の奥で騒いだって無駄だよ、君も知ってるじゃないか。分かったらそんな無駄なことはやめて大人しく…グッ」
「ぼ、僕に触るなぁ!変態!変質者!」

ジタバタと暴れているとたまたま膝が吉良さんの鳩尾に入ったらしい。吉良さんは苦しそうにお腹を押さえて耐えている。
今だ!
この機に逃げ出すしかない、と僕は体を反転させ四つん這いになって吉良さんの下から這い出した。しかし立ち上がろうとした瞬間、僕は右足を強い力で引かれズリリッとまた元の位置に引き戻された。

「ふっ、私から逃げようとしたのかい?悪い子だ。悪い子にはお仕置きが必要だな。」
「ひゃっ」

グッと腰を高く持ち上げられスカート状態で僕の下半身を隠していた司祭服がグイッとめくり上げられた。吉良さんの目の前に僕の股間が晒される。

「いや、恥ずかし…いひゃ!」

パアンと小気味よい音が小屋に響いた。お尻にジンと痺れのような痛みが広がる。なにをされたのか理解できなかった。すぐまたパアンという音が響いた。

「康一君、肌真っ白だね。叩いた所がすぐ赤くなっちゃうよ。可愛い。」
「いっ…ゃめ、いたぁ…やだぁ」

パンパンと連続で音が続いていく。僕、お尻叩かれてる。信じられない状況に、じわっと涙が溢れてきた。叩かれる度、お尻はジンと痺れ熱を持ち敏感になっていった。そこにすぐ次の一発が飛んで来るのだからたまらない。痛さと羞恥心とわけのわからない恐怖とがごちゃまぜになり、僕はただ泣きじゃくり謝るしかなかった。

「ごめっ…なさい、ごめん…なさっ…ぃ」
「ハァッ…ハァッ…大分反省したみたいだね。ふふ、康一君のお尻…お猿さんみたいになっちゃった。かーわいい。」
「ひっ」

するりと吉良さんの手によってお尻を撫でられたが、今はそれすらも痛みに感じてしまうほど僕のお尻は敏感になっていた。もう僕は反抗する気力も勇気もなくなって、ただ嗚咽を噛み殺して神からの助けを待っていた。お願い、誰か、助けて…。

「痛かった?ごめんね、今治してあげるからさ。機嫌直してくれよ、康一君。」
「え?…ひゃあっ」

ジンジンと痛むお尻に温かく濡れた物が這った。れろーと、右から左へ、左から右へ。縦横無尽にそれは動き回る。同時にお尻の表面で感じる吉良さんの吐息。間違い、今這っているのは吉良さんの舌だ。
気持ち悪い…。ぶるりと悪寒が背中を駆け抜けた。

「やめてください!イヤッ気持ち悪…ひぐっ」
「静かにしなって康一君。じゃないと手が滑ってここ、潰しちゃうかも…?」
「ぃ、た…」

吉良さんの手が恐怖で縮こまった僕のアレを握り締めていた。今までとは違った恐怖が僕を包む。怖くて怖くて、全く身動きでき無くなった。

「や、めて…やめて、吉良さんお願い…」
「康一君が大人しくして居てくれればね。すぐ気持ち良くしてあげるから。」

そういうと吉良さんはまた僕のお尻を舐めはじめた。最初はお尻の表面をピチャピチャと舐めているだけだったのが段々と中心によっていき、今では僕のお尻の穴付近に舌を這わせいやらしく弧を描いて動いている。気持ちいいわけではない。けして気持ちいいわけではないけど、叩かれて敏感になったぼくのお尻はビクビクと跳ねて吉良さんの舌の動きに一々反応してしまっていた。

「あぁ康一君、いい香りがするよ。まるで赤ん坊みたいに石鹸の匂いがする。ふふ、そんなにいやらしく反応して…舐めてほしいんだね、ココを。」

フッと穴に息が吹き掛けられた。ビクリと体が跳ね上がる。今から何されるのか即座に分かり、ゾッとした。

「いやっいやぁ!やめてッ」

僕の抵抗など一切意に介せず、ヌルッとした感触が僕のお尻の中心部を撫で上げた。

「ひゃうううぅ!」

まるで猫のように全身の毛が総毛立った。ぶわわっと変な汗が浮き出て来る。吉良さんは僕が声を上げた途端、そこに吸い付きじゅぱじゅぱと音を立てながら舐め回しはじめた。両手でお尻を左右に引っ張られ無理矢理舌を突っ込まれる。中をにゅるにゅると舐め回し、その周辺の襞をゆっくり舐め上げられた。未知の感覚に僕が泣きながらじっと耐えていると、後ろから「ま、そろそろかな」という声が聞こえてきた。やった、終わった、と後ろを振り向くと、吉良さんはおもむろにジーンズの前を寛げて中から怒張した男性器を取り出している所だった。な、にあれ、僕のと全然違う…怖い。途端に自分の最大の身の危険を察知して逃げ出そうとしたけれど、時既に遅し。生暖かい固まりがピタリと僕のお尻に押し付けられた。

「さぁ、感動の瞬間だよ康一君。君と僕は一つになるんだ。」
「やだ…やだ…お願い、許して…いや、」

カタカタと震える僕の背にキスを落とすと吉良さんはグッと腰を押し進め、少しずつ僕に侵入し始めた。グググッとお尻が広げられていくのが分かる。見開いた目から涙がボタボタ落ちていき床の色を変えていった。

「あぁ、素晴らしい!温かいよ康一君!凄く気持ちがいい!んっ…ほら、奥まで入った。分かるかい?」
「ぃ、いたぁい…ぅ、ひっく…んぁあっ」

グリグリと奥に押し付けられた瞬間、僕の体に電流が走った。やっ、なにこれ…?

「あぁ康一君、前が反応しているじゃないか。気持ちいいんだね、良かった。」
「あっ…いや!ひっ…や、ゃめ」

吉良さんが突然律動を始めた。吉良さんのモノが奥の一点を掠める度に僕の口から切ない嬌声があがる。なにこれなにこれなにこれ!怖い!そう思いながらも僕を襲う快楽がどんどん僕の思考を侵していく。気付けば僕は突かれる度に甘い声をあげてしまっていた。

「康一君、気持ちいいみたいだね。嬉しいよ。康一君、キスしよう。誓いのキス、ほら。」
「あぁ…んっ、く…やっ、やっ…したくない…したくない、んんっ!」

無理矢理仰向けにさせられ唇に吸い付かれた。執拗に咥内を舐め回され舌を絡み合わされる。にゅるにゅるとした感触が…キモチイイ。頭がフラフラして気付けば僕も自分から舌を差し出し絡み合わせていた。口の周りがベチャベチャになっているのなんて全く気にならなかった。

「はっ…康一君、気持ちいいだろ。言えよ、キモチイイって。私のことを愛してるって。」
「あっ…キモチイイっ…イッちゃう、イッちゃ」
「愛してる、は?言わないとイかせてやらないよ。」
「あ、あぃ…してるッ…愛してるぅ…イく、イくぅ!」
「あぁ、私も愛してるよ!康一君ッ康一君!」

もはや頭は快楽に支配されて正常な思考判断なんて出来なかった。最奥を突かれたとき、頭の中で白い閃光が飛び散り、激しい絶頂感が僕を襲った。目がチカチカして、意識が遠のいていく。目の前が真っ黒になる直前に吉良さんの「康一君、愛してるよ」という声が聞こえた気がした。




[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!