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ライバルなんて存在しないから(射手) *




今までライバルなんてものは存在しなかった。
作ろうとも思ったことも無い。


今までそう思ってきたけど・・・高校一年生の春、その志向はあっけなく覆された。





――タンッ!


一筋の光のごとく、矢は的の真ん中に当たった。

『・・・ふう』


矢を撃った本人はまだ少し満足していないのか、そのまま矢の刺さった的を見つめている。




梓「せーんぱい!そんなにボーっと見つめてどうしたんですか?」

『うーん・・・ちょっとね、なんでもないから気にしないで!』


と言いつつも、視線は的に向いたままで僕のほうに顔を向けようとしない。




梓「先輩。ちょっといいですか?」



『何梓く、ん・・・って』


先輩の唇に不意打ちのキス。
それだけでも、今までの僕の中にあったモヤモヤは綺麗に吹き飛んでしまった。



『え、・・・・・・えー!!』

先輩はというと、キスをされてよほど恥ずかしいのか顔を背けてしまった。



梓「何で顔を背けるんですか?僕は名前の可愛い顔が見たいんですけど」

またまた不意打ちに名前を呼ぶと真っ赤なタコのようになった。そして、




『もう梓君は・・・まあ照れるのは梓限定だけど



その言葉を聞いた瞬間、一気に心臓が波立つのを感じた。

・・・やっぱり先輩の不意打ちは卑怯です。








ライバルなんて存在しないから

(先輩は僕だけを見ていてください)
(先輩の見つめていた的に嫉妬したなんてカッコ悪くて言えないですけど)



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