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TOV
日常風景(昔)


注)まだロアがおっさんに懐いてない頃の話です





「ちょっとおっさん、邪魔よ」

「なによリタっち冷たいわねぇ。おっさん泣いちゃう」


部屋の前でうろうろしていたレイヴンを見かけ、露骨に眉をひそめるリタ
ちなみに女子部屋だ


「焼かれたい?」

「んな訳ないっしょ!?」

「じゃあどっか行きなさいよ。そこはあたしたちの部屋でしょ」


そう仕草で追い払おうとすると、少しだけ辺りを窺うような素振りをレイヴンは見せた


「……なによ」

「ええと、もしかして、だけど。おにーさん、いる?」


聞きながら女子部屋を指さす


「はぁ?いるわけないじゃない」

「そ、そーよね。いくらなんでも女の子の部屋に混ざってたりしないわよねぇ」

「つか、なんでそんなにロアにかまってんのよ気色悪い」

「きしょ…!仲間なんだからいいじゃない!」

「だったら同じことユーリにもやってみなさいよ」

「それはやだ」


速攻で拒否
それならやっぱり気色悪いじゃないかと、リタはため息を吐いた


「…あ、みっけ」

『!』


廊下の向こうからやってくるロアの姿を見つけ、にやりと笑うレイヴン
目があった瞬間、ロアは踵を返して元来た方へ早足で引き返す


「ちょっとなんで人の顔見て逃げんのよおにーさん」

『だったらなんで人の顔見て追っかけてくるんだ』

「だっておっさん、おにーさん探してたんだもん」

『要らない探さなくていい視界から消えろ』

「今は追っかけてるからおにーさんの視界には入ってないですー」

『子供みたいな屁理屈を…』

「ほーら逃げなくていいのよおにーさーん」

『寄るな触るな話しかけるな構うなはっきり言うがアンタが嫌いだ』

「……ほんとにはっきりと…。でも俺様はおにーさん好きだもんねっ」

『いらん』

「少しは仲良くしようとか思おうよ!人付き合いはコミュニケーションよっ」

『アンタと付き合う気は毛頭ない』

「馴染めっつうのよ。こら、人の話をちゃんと……ッ」


遠ざかっていく二人の会話を呆然と耳にしながら、リタはもう一度ため息を吐いた

「……あとであの二人、絶対焼いてやる……」


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たまには追っかけるおっさんが書いてみたかった

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