白(ハセヲ独白)
白
その無機質な空間は一面の真白だった。
白は清潔感を表す色
人の心を清める色
しかし、寂しい…と思う。
白は“無の色”
それは、いつも暖かい色の彼女には似合わない。
あの優しい笑顔には似合わない。
しかし、その暖かい色は消え失せ、笑顔の無い表情は周りの白と同化している。
―これは彼女じゃない
そう思う自分がいる
「志乃…」
早く、取り戻さなければ…あの暖かい色を。
笑顔を。
このままでは
“無”に呑まれてしまう
彼女が彼女でなくなってしまう
「俺が必ず救ってみせる」
―だから
「笑って」
10.04脱稿 10.06修正
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