COLORFUL LOVER U
3P
―日常その1―
「…何回言ったらわかるの…。」
朝起きると必ず居る。
隣に。
「ん…おはよ…栞。」
スリスリと擦り寄るのは柊だ。
無駄に色気を振り撒くように超至近距離で笑いかける。
「……っ!鍵渡しなさい。勝手に私の部屋の鍵作ったでしょ?」
冷静に、冷静に。
自分に言い聞かせる。
「漣君がくれたもん。」
…アイツ殺すしかないかな…。
「栞なんか今殺気が…。」
兄の漣のことになるとどうにも苛々させられてしまう。
「もーいいからどいてって…きゃっ!」
手首を掴まれ上に乗られた。
「…ね、いい加減俺のこと欲しくない?」
熱を帯びた眼差しで見つめられ、不覚にもドキリとする。
「…、欲しくない。」
目を逸らす。
「小さい頃からあんなに愛しあってたのになぁ。身体は忘れてないと思うよ。」
そう言いながら唇を合わせてきた。
ヤバイ…!と思った瞬間。
「柊ちょっと待っ…ンン…!?」
あああ…唇を奪われてしまった。
私の負け。
毎日キス+それ以上の事をされないように戦っているのだ。
されても触るくらいなのだけれども。
私はいつも本気で戦っているのだけれど力で勝てるはずもなく、柊にしてみれば譲歩しているほうなんだろう。
「も…ン…柊…しつ…こい…!」
柊の気がおさまれば終了。
「柊ちゃん、栞ちゃん、仲がいいのはわかるけど、年頃の男女が同じベッドで寝るのは感心しないわ。」
「キャー!お母さんいるなら止めてよ!!」
「あ、咲さんおはよう。今日も栞頂いてます。」
「赤ちゃんは作らないでね?まだおばあちゃんになる自信ないから…。」
「大丈夫だよ、多分。」
「多分って何!?あんたたちバカバカしい会話をやめてー!もう嫌だっ!
柊もお母さんもでていって…!」
「「はーい。」」
本気で毎朝最悪だ…。
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