COLORFUL LOVER U
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11月、肌寒くなってきた。
けれどこの教室は熱気立っている。


「おはよう、栞。」


挨拶をするその人は、結城然。
栞の元カレで、栞を追っかけて海外から戻ってきた見た目からは想像できない情熱派。
色素の薄いオシャレパーマにしかみえないけれど天然のふわふわとした髪の毛を揺らし、外国の王子様のような完璧すぎる容姿の彼は転校初日からファンクラブが出来たらしく、次の日にはファンらしき人達がキャーキャー言っていた。


「オハヨー!栞。」


次に挨拶してきたのは新谷奏。
然の従兄弟だ。
少しくせっ毛のある黒髪で、大きな瞳がくるくるしている。
然程ではないが、彼もまた美しい容姿だ。
明るく元気な彼は、その性格から容姿について注目されなかったが、実は時々雑誌に載ったりしていてこの学校だけにとどまらず、他校にもファンがいたようでキャーキャー言われている。


「…柊…!毎朝毎朝…キスしないでって言ってるでしょ…!」


朝から行き過ぎとも言えるスキンシップをするのは笠原柊。
元カレ兼幼なじみの彼は小さい頃から容姿端麗で目立つ存在だったので学校では彼を知らない人はいないと言ってもいいと思う。
さらさらとした黒髪に、端正な顔立ち、少し危うい雰囲気に引き付けられるは老若男女問わずだ。
栞を溺愛しているのは言わずもがな。


そして彼には一つ年下の双子の弟がいる。
凌と響という二人はこれまた美麗なる容姿により絶大な人気だ。
凌は冷たい性格だが多才で非常に目立つ。
しかし時に見せる可愛らしい部分にファンは悶えるのだ。
一方響は素直で明るく、活発で皆から可愛がられるタイプだ。
天然で狙ったように乙女の心を揺さぶることができる非常に得な体質。
二人が揃うと女子の黄色い悲鳴か止まらない。


以上の5人は、ある一人の女の子に夢中なのである。

その女の子の名前は上野栞。

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