落忍SS
君とだから楽しいんだ(仙文)

ぎゅむ、


仙蔵は、何かを踏んだ。


「ん…?なんだこれは。」


「ん…?なんだこれは。じゃないだろ。」


仙蔵の足の下には今まさに寝ようとしている文次郎が居た。


「お前には布団を敷いて寝ようとしているこの俺が目に入らんのか?」


そんなわけないよな?とでもいいたげな目で文次郎は仙蔵に呆れた視線を投げ掛ける。


「…あれ?文次郎何故そんなところに居るんだ。そんなに私に蔑まれたいのかそうか。」


仙蔵は踏んだままの足をそのまま文次郎に押し付けた。


「はぁ!?ちょっと待てイテテテテ!いい加減にしろよ!」


ぐいぐいと踏み付ける仙蔵の足首を掴みぐいっと引き寄せる。

その拍子に仙蔵はバサッと文次郎の上に倒れ込んだ。


「お前なぁ!喧嘩売るのも…っ!」


文句を言おうと自分の上に乗った仙蔵を睨むと、あまりにも近くに仙蔵の顔があり驚く。


さらり、仙蔵の綺麗な髪の毛が頬に落ちてきた。

ぴくり、思わず反応してしまう。


「文次郎、お前結構大胆なんだな。そんなに私といやらしいことがしたいのか…?」


口の端をにやり引き上げた仙蔵の顔は酷く妖艶だった。


「そっそんなわけないだろっ!だ、大体お前がわけわかんねぇことするから…!」


「へぇ、私とはしたくないと。」


そういうと、すっと仙蔵は文次郎から離れる。


「…あ、ち、違…」


思わず漏らした声。


「違う?…ふぅん。」


仙蔵は涼しげな瞳で文次郎を見下ろし、するりと冷たい指先で文次郎の唇を撫でる。


「いやらしい奴。」


そう言って文次郎の唇に自分の唇を合わせた。



「〜…!もうお前わからんっ!!」


真っ赤になりながら布団を被ってしまった文次郎を見て、仙蔵は声を出して笑う。


「お前と居ると楽しい。」


仙蔵はそう言って布団の上から文次郎を摩った。


文次郎は何も言わない。


「照れるなよ。」


「照れてないっ!」



部屋には楽しそうに笑う仙蔵の声が暫く聞こえていたそうな。


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仙様的におちょくる仙様

仙様にはたじたじもんじかわゆい

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