落忍SS
恋とは何ですか?2(現パロタカ綾)
「じゃあ今からお付き合いということで。」
パンッと手を叩いてタカ丸はそう言った。
「…ん。」
喜八郎はそう呟くと鞄を持つ。
「じゃあ僕帰るから。斎藤君また明日…って何…?」
喜八郎が帰ろうと思い歩きだすと、タカ丸が制服の裾を掴んだ。
「付き合ってるんだからさぁ〜一緒に帰ろうよぉ。」
ぷうと頬を膨らませ口を尖らせてタカ丸は喜八郎を軽く睨む。
「一緒に…?」
「そう一緒にっ!だあってこーいびーとどーしっ♪だもん!」
るんるんとタカ丸は喜八郎の手を引いて教室のドアまで連れていく。
「わっ、」
ぐいっと手を引かれて喜八郎はよろめいた。
「あっごめんね!嬉しくってついつい強く引いちゃった。わーい恋人になって初めての下校だね。」
にこにこと笑いながら強引なことをするタカ丸に、どう反応していいのかわからない。
この男は…何なんだろう。
自分と全く違う性格…というかこんな人間いないんじゃないかと思う。
自分には理解不能だ。
「斎藤君、手…離してくれない?」
力が入っていて痛い。
「あっ、ごめんっ!」
パッと手を離して頬を染めるタカ丸を見て、喜八郎は首を傾げる。
「顔赤いけど、大丈夫?」
「…綾部くんって、本当可愛いね…。」
へらりと笑ってそう呟くと、タカ丸は帰ろうかと歩き出した。
校門を出て、寮へと帰る道を二人でゆっくり歩く。
高校は男子校で全寮制だ。
皆部活をしたり遊んだ後は各々寮へと戻って来る。
寮は家族みたいな雰囲気で居心地は良い。
「ねぇあやちゃん。」
「…誰のこと?」
急に知らない子の名を呼ぶタカ丸に、聞き返した。
「綾部の"綾"を使ってあやちゃん。」
「それは無いな。」
喜八郎は即却下する。
「だって恋人同士になったんだしー!僕のこともタカ丸でいーよ!」
「いや、斎藤でいいよ。」
「えー!?やーだーよー!」
叫ぶタカ丸を置いて喜八郎は寮への道を一人歩いていった。
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3へ続く→
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