落忍SS
恋とは何ですか。1.(現パロタカ綾)

「ねぇ綾部くん、」


誰もいない教室。


放課後、委員会の集会で残っていた綾部喜八郎の元へ別の委員会の集会から帰った斎藤タカ丸が声をかけた。


「ん?何?斎藤君。」


実はあまり話したことのない二人。


偶然二人きりになったが話すことはない筈だった。


「あのさぁ、綾部くんって付き合ってる人いるの?」


あまりに唐突な質問。


喜八郎は驚いたものの、基本的にあまりあれこれと考えない性格だった為ありのままに答える。


「いや、いないよ。」


そう言うとタカ丸は何故か嬉しそうに笑った。


「…何笑ってんの?」



「あ、別に綾部くんに彼女がいないから笑ったわけじゃないよ!?」


タカ丸は焦ったように手を振ったが、別に笑われた事に怒ったわけではない。
タカ丸があまりに嬉しそうだったので不思議に思ったのだ。


「あのさぁ、僕ね、綾部くんの事好きになっちゃったんだぁ。」



ニコニコと笑いながらさらりと言われた。



「は?」

喜八郎は目を見開く。



「だからさ、付き合ってくれないかなあ?僕と。」


照れたように笑うタカ丸を見て、喜八郎は唖然とした。


いきなり過ぎる。


「さすがに驚いた。」


そう言った後、喜八郎はため息を吐いてタカ丸を見る。



「だよねぇ、でもさ誰も付き合ってる人いないなら…ダメかなぁ?」


子犬みたいな目だな、と思った。


犬は嫌いじゃないな

なんて頭の中でちょっと思ったら、ポロリと口に出た。


「別に…いいよ。」



喜八郎の声が、放課後の教室に響く。



タカ丸は笑った。


おっきな花みたいだなと思った。



花も嫌いじゃないな、と頭の隅で思った。



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2に続く→

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