うちは、ご近所では、『美形の家』と呼ばれているらしい。(ネーミングセンスが少し気になる・・・・・・)
確かに、兄達はすごくかっこいい。
「お兄ちゃん。隼人お兄ちゃ〜ん。ねぇ、起きて・・・ねえ・・・・・うー・・・・武お兄ち「おはようございます!!ツナさん!!」あ、おはよう」
私にはお兄ちゃんがいる。
この人が、三番目の隼人お兄ちゃん。
うちはお父さんの何代か前がイタリアの人だからか、隼人お兄ちゃんは綺麗な銀髪と緑の目をしている。
私の友達は、まず外見をものすごく褒めるけれど、頭だってすごくいい。
今は付属の大学に行っていて、大学でもすごく人気があるらしい。(主に女子に)
私はそういう所は似なかったけど、隼人お兄ちゃんは私をすごく可愛がってくれる。
「隼人ったら寝坊なのな〜」
いつの間にか来ていたのが二番目の兄の武お兄ちゃんだ。隼人お兄ちゃんの一つ上の二十一才。
こっちは黒髪・黒目の純日本人顔だけど、背が高くて精悍な顔立ちをしている。
社交的で誠実な性格なのでこちらは男女問わず人気がある。
武お兄ちゃんみたいな運動神経が欲しかったなと、ツナはいつも思う。
「うっせぇ!!デッドボールで死ね野球馬鹿!!」
「うわ〜、お前の方が馬鹿だと思うけどな〜」
ちなみに二人の兄弟仲はものすごく悪い。
武に指差された方を見ると、ツナが悲しそうな目で隼人を見つめていた。
「隼人お兄ちゃん・・・・・なんでそんな事ゆうの・・・・?」
「ぎぃゃぁぁぁ!!!違うんです!!誤解です!!!」
「完璧に見られてたのに、無駄なあがきとは男らしくないぜ?」
武をギロリと睨む事を忘れないあたり、暴言を撤回する気はないらしい。
「・・・・・隼人お兄ちゃん・・・・・大っ嫌い!!!!」
ツナが涙でうるうるとしながら、叫ぶと、隼人はまるで雷に打たれたよいになった。
「ツ・・・ツナさん・・・・?」
若干、顔が青い。
「よし、今日は武兄と一緒に学校行こうな!!隼人兄は、留守番だ〜!!!」
武は、なんだか笑顔が黒い。
「ツナさん・・・・・?」
「・・・・・隼人お兄ちゃん」
「はいっ!!!!」
隼人は正座をしながら勢いよく返事をする。
みんなは彼を『ツナの犬』と言っている。
「・・・・・お留守番、がんばってね」
「っツナさん・・・・・?ツナさーん!!!」
「あ、隼人、マジ泣きしてるのな〜。ほんと、面白い奴」
隼人を置いて階段を下りていると、確かに啜り泣く声が聞こえる。ちょっと怖い。
「・・・・・流石に酷かったかな」
「そんなことないって!!あいつにはいい薬だって!!」
これが、優しい妹ツナ(13)をめぐる、超シスコンな兄達(共に成人)の毎朝の攻防。
「あれ、そういえばディーノお兄ちゃんは?昨日から見てないけど・・・」
「さぁ知らね」
「えっ大丈夫なの?」
「まぁ・・・・生きてるだろ」
武は兄と妹への関心の落差が激しい。(隼人も同じだが、彼は基本、ツナ以外の人間には戦闘体勢だ)
ちなみに、長男・ディーノ(26)は会社の帰りに家の鍵を落とし、昨日から幼なじみの所にいた。
「あいつら、俺の事、絶っっ対忘れてる。ツナだって・・・ツナだって、俺がいないのなんて気付かないんだぁ〜〜!!!」
「ぶぉぉい。今、家に電話かけるから。ばっ!!泣くんじゃねぇ。なんで朝っぱらから酒飲むんだよ、てめぇは。」
ツナを愛し過ぎている兄達(と、そのお友達)は、今日も元気です。
※ツナは、車で登校してます。←歩かせると、いろんな意味で危ないから。
どっちが送るかは、毎朝の喧嘩で決まります。
君の笑顔で起こして