俯いていたツナが顔を上げて俺を睨んだ。涙が滲みだした琥珀の瞳が一層輝きを増した。
「とにかく、リボーンが反対しても俺はそこを受験するからっ!!」
「ツナ!!」
自分の部屋に走って行ったツナを、リボーンは呆然と見つめた。思わず立ち上がったが、この体は何をしたかったのだろう。
一人しかいない室内で、リボーンは溜息をついた。
「ツナ……」
『なんだよリボーン』と、照れ臭そうに笑ったツナの顔が思い浮かぶ。愛しい愛しい、俺のツナ。
視界に先程自分が裂いた紙が散らばっている。塵一つない床に、まるでゴミのように広がっている残骸。全寮制という文字が一際目立つ。
ツナ、お前は俺から離れていくのか。
俺のどこが悪かった。
何故だ、こんなにも愛しているのに。
「ああ、……だからなのかもな……」
俺のツナへの邪な愛情に気付かれたのか。
いつかは分からないが、あの頼りない甥っ子を抱きしめてやりたいと、華奢な体を自分の物にしたいと。
先日だって遊びに来たコロネロに、「お前、なんて目で甥っ子を見てんだコラ!」と怒鳴られた。それほどまでに、俺は飢えていたのか。
確かに、こんな叔父と一緒にいれば、俺は何をするか分からない。
ツナを大切に思うなら距離を置いた方がいいのだ。
それでも、それでもな、ツナ。
俺はお前を離したくないんだ。
例えば小さい頃から遊んでやってたとか、家に何回も訪ねて行って会っていたとか。
亡くなった兄貴にそっくりで懐かしくなるとか、祖父さんの口癖を言ったりとか。
そういった家族を思わせてくれる仕草をしないからだ。
−−−俺がこんな想いを抱いたのは。
愛
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すれ違い両思いが好きです。