一難去ってまた一難。
「えっと…じゃあ名前と年齢教えてもらえるかな」
「日向葉月、イケイケの17歳…好きな事は、キレイなオネーサンの服を脱がしていく事です…あとそれから、」
「そこまで聞いてませんよ」
malevolo!
15〜forza!〜
「じゃあ葉月君…でいいかな、君の住所は?」
「知らねーよ、今は居候の身だし。んなもん適当に書いとけって。どーせバレねぇよ」
「何を根拠に!?ていうか君態度悪すぎだよね!ここ一応警察だよ!」
「うっせぇなぁジミーのくせによー」
「ジミーって何!俺にはちゃんと山崎退って名前があるから!」
団子屋の一件で、何故か“武装警察真選組”なんていう厳ついところへ連行された俺。
そして今、取り調べというヤツを受けている。
そう、悪の組織らを倒して調子に乗ってた俺に刀をつきつけてきた男は、例の瞳孔開いたマヨラー、トシだったのだ。
(トシが警察、ねー…まぁ合ってるっちゃー合ってる)
けど、俺が知ってるアイツより明らかに年上だったな…
そういや神楽もちょっと幼いし、もしかすると向こうの世界とはちょっとずつ差があるのかもしれない。
(トシもいて、ザキもいて…って事は、真選組イコール風紀委員って考えりゃいいのかな)
ここでも、俺を知ってる奴はいない。
俺だけが、この世界にいない。
「…葉月君?どうかした?顔色良くないけど…」
「、へ…?ああ、何でもないよ」
(何、ネガティブになってんだ俺)
俺は俺。それでいいじゃねぇか。
なのに。
(胸が、痛ぇ)
本当、自分の性格が嫌になる。
ガチャッ
すると突然扉が開く。入ってきたのはこっちの世界のトシと…
「山崎、そいつ何か吐いたか」
「副長!…いえ、特には」
「へェ、コイツが団子屋で暴れてたって奴ですかィ」
「そっ…!」
「?」
総、悟…。
俺は言いかけて咄嗟に口を塞ぐ。
名前なんか知ってたら、怪しまれるだけだ。
「っ別に、俺が暴れてた訳じゃねぇよ。向こうが絡んできたんだ」
「総悟、口挟むんじゃねぇ。…アイツらも検挙して色々尋問してる」
「じゃあ何で俺まで、」
「コイツだよ」
カチャ。トシが見せたのは、俺が銀さんから預かった刀。
「廃刀令のご時世にこんなもんぶら下げてるたぁ、どういう了見だ?」
「廃刀令って、」
やっぱ出てたんじゃねぇかァァ!!
あの天パマジ許さねぇ!
「…てめぇは、攘夷志士か」
突如、トシの目が俺を見据える。鋭い殺気と共に…
「…俺は、一般人だ。攘夷とか、関係ねぇ」
俺も、トシを見据えて言った。
「これは、俺の刀じゃない。護身用にって、持たされたものだから。こんな事がなかったら、使う事はなかった」
言い終わると、トシはため息をついた。
「…まぁ、こんな立派な刀、ガキが持ってるわきゃねぇが…」
「!やっぱりこの刀って高いのか?」
「あ?まぁ、相当なモンじゃねぇか?手入れはしっかりしてあるしな」
やっぱり、この刀は銀さんにとって大事なものなんだ。
あの銀さんが、わざわざ手入れするくらいに…
「つーか、そんな事も知らなかったんですかィ?」
「いや、だって俺刀なんて初めて持ったし」
「初めて!?」
え、俺なんか悪い事言った?
トシの目めちゃくちゃ瞳孔開いてるんですけど…!
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