頭がオーバーヒート寸前です!
救世主イコール、
malevolo!
10〜mulinare!〜
「…ん…」
見覚えのない天井が視界に入る。
俺はあの後、誰かに助けられたのか。
身体にはちゃんと包帯が巻いてあって、誰かが手当てしてくれた事を物語る。
(、いってぇ)
身体のあちこちが悲鳴をあげている。
…喧嘩なんて、久しぶりにした気がする。(といっても俺が一方的にやられたようなもんだけど)
(廃刀令とか、出てねぇのかよ)
刀なんて、博物館くらいでしか見た事がない。
無論、斬られたことなんてあるはずもない。
(誰かが助けてくれなきゃ、俺は死んでた…)
光る刃を思い出すと、身体が震えた。
斬られたところがズキンと痛んだ。
(とりあえず、お礼…言わなきゃ…)
身体を起こして布団から出ようとした瞬間、襖が開けられた。
「お、やっと起きたか」
「…え、」
入ってきた人物に、俺は目を疑った。
「丸腰の人間があんな大勢に無茶しやがって…お前死ぬ気か?」
まぁ、俺がたまたま通りかかったから良かったけどよ〜…なんて言いながら、そいつは頭をかいた。
…聞き慣れた間抜けな声、見慣れた銀髪。
「ぎ…ん、」
「あ?」
「ぎんぱちィィィィ!!?」
「ギャァァアア!!」
俺は咄嗟にそいつの髪を引っ張る。
「え?何これ、本物?まじでか?まじでか?」
「何しやがんだテメェェェ!!今絶対10本は抜けた!抜けたよ今!!」
「何でお前も此処にいんだ!?俺ぁてっきり俺だけだと…おい銀八!何がどーなってんだよ、俺、」
目の前にいる銀八の胸ぐらを掴みながら早口でまくし立てる。
「ちょーっと待ったァァ!え、君今俺の事何て言った?」
「は?何言ってんだよテメーの名前だろ?銀八だろぎんぱち!」
銀八、とうとう頭が破裂したか。
「俺を眼鏡と混ぜんじゃねェェ!俺の名前は銀時!ぎ・ん・と・き!エイトじゃなくてタイムだコノヤロー」
…え?
「は…何、言ってんだよ…お前は、」
「つーか俺も名前言ったんだ、お前も名前くらい教えなさいっ!」
奴の言葉に、頭が真っ白になった。
俺の事を、知らない…?
「銀ちゃんさっきからうるさいアル!怪我人の前で何騒いでるアルか?」
「あ、起きたんですか?良かった」
再び襖が開けられて、2人の少年少女が入ってきた。
…見慣れた眼鏡に、見慣れたチャイナ。
「新八…神楽、」
「…え?」
「お前、何で私達の名前知ってるアルか?」
頭が、破裂しそうだ。
「…とりあえず、話聞かせてもらうぜ?」
頭がオーバーヒート寸前です
(何でこんなに、心が痛いんだ)
mulinare(ムリナーレ):イタリア語
意:困惑する,混乱する
ギャグ連載のはずなのに、最近シリアス方面に向かってる…
080906
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