持つべきものは友。
朝に道を聞けば夕に死すとも可なり。(孔子)
土方ってウゼーよな、かなり。(沖田総悟)
お、上手いな総悟!(日向葉月)
もう何なのお前ら…(土方十四郎)
malevolo!
07〜amico!〜
授業中だというにもかかわらず、1人の生徒がスキップしながら階段を上っていく。
無論、廊下には人っ子一人見当たらない。
その生徒――葉月は階段を上りきり、扉を思いっきり開ける。
着いた場所は屋上。
「やーっぱ、ここにいたんだ?」
屋上には1人の生徒が寝ていた。
葉月はその生徒に向かって話しかける。
「…扉くらい静かに開けろ」
「あっは、すまんね!」
葉月はその生徒の横に座る。
「何でテメェがここにいんだよ…今授業中だろ」
「サボり魔のお前に言われたくない台詞ナンバー1だよそれ!つーかお前こそちゃんと授業に出ろよ、不良の高杉君?」
その生徒――高杉は葉月の挑発的な態度に顔をしかめる。
「…お前、何かあったのか?」
高杉は身体を起こし、葉月を見る。
「別にー、ただ青い空が見たかっただけですぅ」
「空、曇ってんぞ。バカかお前」
高杉はポケットからキセルを取り出し、先を口に入れる。
「んなモン吸ってる奴に言われたくねぇよ。つーか何、何でキセル?どこで売ってんのそれ」
タバコでよくね?てゆうか未成年がんなモン吸うな!と葉月は続けて言う。
「ガキにはこの味は分かんねぇよ」
「…はいはい、どうせ俺はガキだよ」
「…お前、ホントどうした」
いつもと違う葉月に、高杉は戸惑いを隠せない。
「…だから、何でもねぇって、」
「そういやお前、もうすぐ誕生日だったな」
「…!」
葉月は顔を上げる。
「分かりやすいんだよ、テメェは」
高杉は紫煙を吐く。
「…ちょっと、昔の夢見ただけ…ただ、そんだけだよ」
葉月は溜め息をついて話し始める。
「ホント、笑えるよな。まだ夢に見るんだ、壊れた自分を…ホント、笑える」
葉月は自嘲的に笑う。
「はっ、何情けねぇ声出してんだ」
そんな葉月を横目に見て、高杉は話し始める。
「テメェがんな顔してっと、親が泣くぜ」
「…かもな」
「…ならいつもみてぇに笑ってろ。それが日向葉月、だろ?」
高杉は葉月を見据えて言う。
「はっ…分かってんじゃねぇか」
葉月も高杉を見据えて笑う。
「悪ぃな高杉、心配かけて」
「誰がテメェの心配なんてするか」
「ったく、素直じゃないなぁ晋ちゃんは…」
「殺すぞ」
「あーあ、誰か誕生日会でも開いてくんないかなー!」
「勝手に開いてろ」
「そうだなぁー…ケーキは銀八に作らせて…あ、俺の誕生日プレゼントはAVでよろしく!」
「誰が買うか」
隠れていた太陽が、顔を出した。
amico(アミーコ):イタリア語
意:友達,仲良し
何気に6話の続きだったり。
高杉とは不良同士、何でも話せるような親友だといいな!
080805
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