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木の葉流
私は“忍者”だけど、それは数年前の話し。今は里抜けをして“抜け忍”という少し悪い立場にいる。
私が里抜けした理由はただ単に組織的な忍びのシステムが嫌になったからだ。

悪い立場だから敵も多い。
私は里に居てた時はなかなかの忍びだった為、手配書(ビンゴブック)にも名が上がっている。そのせいで追い忍に追われ、敵から逃げ回る日々。
……という訳でもなく、そんな奴等は返り討ちにしてやる!





「あれ?ボロボロの少年発見!」




ふらふらと山道を散歩中、見慣れていた額あてをした少年が木にボロボロになって凭れていた。

任務帰りに負傷ってとこかな?





「もしもーし、生きてる?少年」


「………ッ、」


「ありゃ、りゃ」





苦しそうに顔を歪める少年の腹部を見ると服が赤黒く変色していた。
少年の顔を見るよりも、少年の名前を聞くよりも、先に私の手は少年の傷を手当てし始めていた。

柔らかな緑のチャクラの光が少年の傷を覆い消していく。





「…、いりょ……じゃ…?」


「黙って!」



◇◇◇


数分後、少年の傷は綺麗に無くなっていた。傷痕もない。





「……助かった」


「うん、よかった」





腹を軽く擦りながら話す少年はまだ、若い。若いって言っても私より2,3下ってとこかな?
中忍以上が着ることの出来るベストを着ている辺り小隊長なのだろうか?





「処であんた一体何者だ?…医療忍者?……にしては、額あてが見当たらねぇが…」


「……少年の名前は?」


「質問してんのはコッチなんだがな、……シカマル。奈良シカマルだ。
額あての通り木の葉の中忍だ」


「ふーん」


「……で、何者なんだ?」


「シカマルが…もの凄く真面目でその里の為に尽くしている立派な忍者だとしたら、真逆の立場の人間よ」


「…ぬ、け…忍」





確かめるように口にするシカマルは驚いてるようだ。…そりゃ、そーか





「で、シカマルは私を殺る?」


「……!」





“殺る?”と口にした後、懐からシカマルとお揃い(キズ入り)の“木の葉の額あて”を取り出し見せる。





「…“仲間を助ける”それが木の葉の忍びだ」


「で?」


「で?って……めんどくせーな!
殺らねーよ!お前に何があったかなんてめんどくせーから聞かねーけど…お前は俺を助けてくれた。」



(それだけで十分だろ?)
(…変な奴だね、シカマルって)
(おあいこだろ?おめーも十分変わってるぜ?)
(知ってる…)



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