「待てっ!未雨!」 「なんで、追っかけてくるのよー!」 「未雨が逃げるからだろ!」 <ガシッ、──ドンッ> 「っ!」 「頼む、聞けよ」 腕を掴まれそのまま壁に追いやられた。 …別れ話?…でも、シカマルのことだから私が傷つかない言葉を考えてるかも…… 「……痛いよ、シカマル」 「…」 <ギュッ> 刹那、自身に起きた事が分からない。…分かるのは、シカマルが……震えてる 「泣くな、泣かねーでくれ」 「へ?」 雨で分からなかったけど私の頬には雨とは違う温かなものが流れてる。 「なんで…抱きしめるの?……シカマル…嫌いなら嫌いって…」 “言ってよ…”と続く筈の声は声にならなかった。 |