[携帯モード] [URL送信]
(2010.7.10)
〜暗雲の果てより〜


成り行きで一緒に住むことになった異世界から来た少女、未雨。
きょろきょろと部屋を見回している。





「何もねぇからつまんねぇだろ?」


「ううん、落ち着く」





その言葉に俺は少し驚く。
部屋には、テーブル、ソファ、本棚、ベッド…そして、将棋セットだけの殺風景なもの。
否、色合いが殺風景に思わしているのか?
それより、今日は疲れて一刻も早く床に着きたい。





「ベッド使えよ、俺はソファでいい」


「え、シカマルがベッド使って!」


「いい、使え」


「…ありがとう」





本当は身元のしれない女を木の葉に置くのは賛成出来ない。
だが、未雨の笑顔や泣き顔を見ていたいと思ったのも事実。





「起きてるか?」


「ん?何、シカマル」


「悪かったな」





首の傷…
白い肌に巻き付けられた真っ白な包帯。結局、サクラに教わりながら手当てをした未雨。





「…私こそ……ごめんね、手叩いちゃって」


「構わねぇよ」


「ん、おやすみ」


「あぁ」





窓から射し込む月光に照らされた未雨の寝顔
知らない間にシカマルも夢の中───
月の光は優しく二人を照らしていた




第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!