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そろそろ締めないと!
※京都弁が長崎弁になってる…













「せんせー」

こんこん,
とノック音
この声は,志摩君,でしょうか

「はい,奥村です」

がちゃり,と扉を開けば,案の定ピンク色,と
予想外の頭もあった

「志摩君,三輪君?」
「せんせー,奥村ちゃんはー?」
「ちゃうやろ志摩さん
先生,どーしても谷和原草が集めきれそうにないんです…」
「あ,そうなんですか?」

この時期ならたくさん生えてそうなのに
三輪君達でも見つけられないとは
他の人々は大丈夫でしょうか
って…
姉さん…
絶対集めてないだろ…

「なんでやろって思うんですけど,やっぱり無いんですよね…」
「うー…ん…どうしましょうか」
「神木さんらが全部取っていったんやないですかー」
「志摩さん,そんなこと言ったらあかんよ」

じゃあ授業で創る予定だった薬を作れないってことか
変更すべきか
うーん,たまにはレクリエーション授業って言うのもやった方が良いのかも知れないなあ
姉さん,普通の授業じゃ絶対寝ちゃうし
でもレクリエーションって…
悪魔薬学で遊ぶって言ったら,谷和原草どころかもっと準備が必要になるじゃないか
あー
やっぱり無難に実験は中止で座学するか

「でもせんせ,もっと変なんがですね」
「はい?」
「もうぜーんぶ枯れてはるんですよ
というか,土になってしもおた様で」
「そうそう,木ぃとかはまだ生えよったんですけど
草とかあったとこ全部更地ですわ」
「…それは」

それはおかしすぎるんじゃないか?
三月だ
芽吹く季節だ
それが全てないだなんて,
それは,

「その更地って,どこまで広がってますか?」
「え?せんせ今日外出てないんですか?」
「…はい?」
「この旧寮の周りまで全部更地ですよ」

それは,
それが何を意味するのか
姉さん,
姉さんは
理事長質へ向かった
カギを使っていたか

姉はカギを二つしか持っていないし
それらは理事長室へ繋がるカギではない
歩いて,行ったはずだ
こんな
あかしい環境の中を

「せんせ?」

かちゃっ,と携帯を開けて,
ボタンを押す
ワンコール,ツーコール,

『ッ』
「姉さん!」

ざざざ,ざ,ざざ
土がすれる音,地を蹴る音
声,誰の声だ
わからない,わからない,

『っああああああああ!』

全部
わからなくなってくる



あきゅろす。
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