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ここにいるよ,いつも




「……………は?」

兄が,いなくなった?
今そう言ったんですか,フェレス卿








「某日に進入した悪魔は,危険性が低いと思われ
塾生への緊急実技テストとされました
悪魔はテスト開始から数十分で爆散,消滅
受講者は六名,うち宝は欠席
うち奥村燐,行方不明

―――――ということですよ,奥村先生」
「――――そんなこと,知ってますよ!」

だって,僕が監察官だった
あの悪魔は低級の低級
誰がぶち当たったって,絶対に倒せるレベルだった
なのに
どうして

「ありえません。兄さんがあんな悪魔にやられるなんて」
「ええ,私としてもそれはありえないと思いますよ」

含みのある笑顔を作る,フェレス卿
ここは彼の仕事部屋
テスト終了後,すぐに呼び出された

「悪魔の気配が消えて…皆を集合させて
でも兄だけいつまで経っても戻ってこなかった
兄が倒したってことは,確定です」
「うー…ん,そうですねぇ…」

優雅に紅茶を口に運ぶ彼
その余裕な態度に,腹が立つ
なんだ?
…なにか,隠してるのか

「じゃあ,こんなのはどうです?」
「はい?」
「うちの学園にこっそり進入していた四大騎士が,サタンの落胤を排除した」
「!!!」
「…とか?」
「とかって…!そんなの!」
「もしかしたらあの地の王かも知れませんねぇ…
腐の王という可能性も無きに無し…」
「そんっ…な…」

そんな
そんなことがあってたまるか
そんなことはあっちゃいけない
兄さんは
兄さんをこんなところで終わらせちゃダメだ
ダメなんだ
大事な人なんだ
知らない所で居なくなるなんて
…ありえない

「ありえません…」
「…そんなの,君の願望でしょう,奥村先生?」
「そんなの,だめです…」
「ダメと言われましてもねぇ」

くすくすと笑われる
なんだ,こいつは
沸々と腹が煮える
殺してやろうか
こいつはきっと,四大騎士だろうが悪魔の王だろうが,排除できる力を持っている
なのに…

「まあ,手がかりならありますよ♪」
「…は,」
「実はですね,その現場に行ってみたのですよ
そしたら」
「そしたらっ!?」
「………落ち着いて下さい,かっこわるい」
「良いから…続けて下さい」
「…そしたらですね,
ある女生徒がいたんですよ」
「…女生徒?」
「見たことある顔でしたねー
おそらく君と同じ一年生」
「ほかに,」

他に何か隠してるんじゃないですか?

「…さあ?どうでしょう?」
「…失礼します」

…いいさ
手がかりがあるんだ
大丈夫だ
…兄さん
見つけてみせるから










あきゅろす。
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