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校長ヅラ疑惑、担任入れ歯疑惑





「日番谷冬獅郎!」

これが、僕の親愛なる親友への朝一番恒例の挨拶である




「阿良々木…フルネームはやめろ」

自信の席に着き、準備をしている冬獅郎
僕は彼の事を毎朝フルネームで呼んでいる
その理由は、まあ思い出したくはないのだが…
まあある訳により
"日番谷"の読み方を忘れないように毎朝言っているのだ
それを彼はあまり好まないようで

「いいだろう、これぐらい
お前を怒らせないための対策なんだから」
「いい加減覚えろ…」

この会話は毎朝恒例だ
その後他愛もない会話に発展する
僕にとって結構大事な友達だったりする彼が――――








――――今、生徒会長立候補者の所在地に座っている

…え?なんで?
冬獅郎のやつ、立候補したのか?
教えてくれれば良かったのに!
なんだか…なんだか気に入らないぞ!

場所は変わって体育館
今日は生徒会総選挙
会長・副会長・書記・会計などを決める
それぞれの立候補者はそれぞれの場所に座り
名前が呼ばれれば壇上に上がってスピーチをする
のだが…

「乱菊さん!」
「あらあ暦ぃ♪どうしたの?」

隣のクラスの列にいる
冬獅郎と結構仲良さげな人物
松本乱菊に話しかける

「あいつ、冬獅郎のヤツ、立候補してたのか?」
「うーん…まあ、してたわよ?」

冬獅郎よりも二、三番前のヤツがスピーチをする
一oに聞いてやらない

「と言うか、されてたみたい
そっちのクラス、誰も立候補してなかったんでしょ?」
「まあ、そうだけど」
「暦んトコの担任、目立ちたがり屋っていうか
そんな感じじゃない
自分のクラスに会長が欲しいんじゃないの?」
「うわあ不純な理由…」
「まあ私としても冬獅郎ちゃんになって欲しいわけだけど〜♪」

にまにまと笑う乱菊さん
腹黒そうだ
その胸には何が詰まってるんだか…
って僕はどこを見てるんだ!?

<<次の立候補者――日番谷冬獅郎のスピーチです>>
「お、来た来たあ♪
ほら暦っあんたもう戻んなさい」
「う、あ、あぁ…」

自分のクラスの列へ戻る
見れば、冬獅郎は壇上を上がっていた

<<ぁ、あー…
2年4組、日番谷冬獅郎だ>>

壇上に堂々両手をついて
礼儀は無けれど威厳がある喋り方をする冬獅郎
…かっけー

<<今回俺が、この選挙に参加することになった理由は
まあ、入れ歯疑惑と疑われている担任からの勧めによるものでして…>>

会場中がぎょっとした雰囲気に包まれる
なんだか担任を捜したくなるな…
どこにいるんだ?
きょろきょろと見回す
あ、放送室に逃げた

<<このような場を与えて頂きほんとーに…ほんっとーに感謝しておりますよ、ええ>>

ま っ た く 感 謝 し て ね え
欠片も無いな
まあ当たり前というか当たり障りが無いというか

<<それどもなあ?おい、校長>>

その小さい体躯でよくそんなオーラがでるもんだな

<<てめえ…俺が無理矢理立候補させられたって知ってたンだろ
止めろよ、おい>>

ぎろん
と睨む冬獅郎
なんだか気温が下がった気がする…

<<次知ってて止めなかったっていうんなら…
その髪の毛らしき物ひん剥いてやっからな!>>

解ったか!
と、最後に叫んで
だん、だん、だん、と階段を降りる
うわあ
すっげえご立腹だ
校長切腹しそうな勢いだな

そのまま冬獅郎は所在地に戻らず
体育館を出て行った
最後の最後までかっこいいやつだ



立候補=陰謀により


(当選してたまるかよ!)
(…おお、この結果は…)
(やったわね会長!)






あきゅろす。
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